インフォームドチョイスとインフォームドスポーツの違い

インフォームドチョイスとインフォームドスポーツの違い

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ドーピング検査を受けることのない選手は読む必要はございません。

 

検尿後の尿をAボトルとBボトルに分ける際に自身が摂取してきた飲み物やサプリメント等は果たして本当に大丈夫だったのか?

 

ということが一瞬頭をよぎりますよね。

 

ドーピング検査対象選手は飲んでるサプリメントがドーピング禁止物質の検査を受けているか必ず確認して飲まれていることと思います。それがトップアスリートの責任です。

 

現在、サプリメントへの禁止物質混入分析を実施している世界的な機関としてはLGC、BSCG、NSFがあります。

 

LGCはインフォームドスポーツとインフォームドチョイスという2つの認証サービスを出している関係で何が違うのか混乱している方も多いかと思いますので、今日はその点に関してご紹介いたします。

 

インフォームド スポーツは、製品が市場にリリースされる前に、製品の全てのロットを検査します。例えば、同じ商品でも異なるフレーバーであれば別々に検査が実施され、さらに該当製品を小売店から入手して定期的に再検査を実施しています。もちろんオンラインでのみ販売されているのであればオンライン上で入手して抜き打ち検査されます。

 

一方でインフォームド チョイスは、対象商品の特定の製造ロットを毎月検査しますが、インフォームド スポーツのようにすべての製造ロットがテストされるわけではありません。市場から商品を無作為に抜き取って分析にかけます。

 

一見、優れたアンチドーピング認証プログラムに見えるのですが、すでに市場に出た後の商品に対する抜き取り分析ということは、仮に一部の製造ロットで汚染が発生していた場合、それが世に出回ることを防ぐことはできないわけです。

 

実際にケースは少し違いますが、認証取得途中で分析結果待ちのサプリメントをプロチームに提供していたらドーピング禁止物質が出てきて製品を回収するという大きな問題も起きています。

 

そのため、ドーピングリスクを極力排除したいアスリート向けのサプリメントにおいては、インフォームド チョイスではなくインフォームド スポーツのプログラムによって検査が実施されていることが重要です。

 

実はこのことはLGC社のホームページにも、ドーピング検査対象となるアスリートに向けて作られたプログラムはインフォームドスポーツであり、一方でインフォームドチョイスはエリートアスリート向けとしてではなく、ドーピング検査対象とならないアクティブなライフスタイルを送っている人向けに設計されたプログラムであることがはっきりと明記されています。なぜか日本ではインフォームドチョイスなら安心と思われている選手が多いのですがそれはこの認証サービスの導入時の初動を間違えた結果と私は考えています。

 

https://choice.wetestyoutrust.com/news/informed-choice-and-informed-sport-what-difference

 

日本ではLGCの代理店ができた当初になぜかインフォームドチョイスしか展開しないという不可解な動きがありました。

 

私はこの説明会に足を運んで関わっている大手メーカーの開発トップの方に「なぜインフォームドスポーツを展開しないのか?」と聞いたところ「日本はインフォームドチョイスだけです。」と理由を全く説明してもらえませんでした。

 

 

恐らく、大手メーカーになるほど製造回数の多さと、同じ製品を数箇所の工場で製造することが増えるため、全ロット検査をして分析結果が出るまで販売できないというのは商売上不利益を被るからでしょう。

 

 

ちなみに製品の検査を全くしていないのにドーピング検査対象アスリートに製品を提供しているメーカーさんもいらっしゃいますが、それはメーカーのモラルというよりも製品をもらって飲んでいるアスリートさんの問題ともいえます。

 

 

別の機会にLGCとBSCGの違いについてご紹介していきます。

 

 

3月も引き続きピークパフォーマンスニュートリションをよろしくお願いいたします。

 

阿久津貴史


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