注意機能とトレーニング⑴

注意機能とトレーニング⑴

以下の内容をメルマガで配信致しました。
どこに注意を向けるか?という注意というシステムが運動学習にもたらす研究の世界的権威の一人であるGabrile Wulf氏は「どれだけ上手に運動を遂行して学習できるかは、大部分が何に注意を向けるかに依存している。」とその著書「注意と運動学習」で述べています。
 
 

人間の持つ注意機能に関して理解を深めることはアスリートのパフォーマンスを最大限に高めるためにとても重要なことです。今回から数回に渡って注意機能とトレーニングというテーマに沿って下記のメルマガをお届けしていきます。
 

・注意と意識
・外因性注意と内因性注意
・選択的注意と分割的注意
・インターナルフォーカルとエクスターナルフォーカス
・雑感(注意機能と目標達成スキルの関係)
 
 


注意と意識


太い大腿部を作りたいのでスクワット中に大腿四頭筋を意識して動作をする。」
「重いスクワットを挙げるために、スクワット中は床に与える圧力に意識を向ける。」
 

同じスクワットをしていても全く違うことを意識している代表的な2例をあげてみました。前者は身体内部への注意、後者は身体外部への注意を実践しています。
 

このように注意を向ける対象の違いがパフォーマンスにどのように影響するのか?ということは後日お届けするインターナルフォーカスとエクスターナルフォーカスの節でご紹介します。
 
 

ではまずそもそも「注意」と「意識」は何か違うのでしょうか?
 
 

ウエイトトレーニングを実行する際には「二頭筋を意識しましょう。」というような表現で「意識」という言葉が用いられますよね。
 
 
 

目の前にはっきりと起こっている事象であっても注意が向けられなければ意識にはのぼらない。(原田悦子,他(編)注意と安全より原文そのまま引用)
 
 
 

非常に分かりやすく注意と意識の違いを表している表現です。つまりウエイトトレーニングにおいて、大腿四頭筋を「意識」するためにはまず大腿四頭筋に「注意」を向けることで初めてそこを意識できるということです。
 
 

注意と意識の違いを捉えていただけたかと思います。
 
 

次回は外因性注意と内因性注意に関してご紹介していきます。

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