「同時にいくつものことを処理できない」「会議の内容をすぐ忘れてしまう」「複雑な作業になると頭が混乱する」──こんな経験はありませんか?
これらの悩みの根本にあるのが、ワーキングメモリ(作業記憶)の容量や効率性です。ワーキングメモリは、情報を一時的に保持しながら処理する脳の能力で、集中力、判断力、学習能力のすべてに関わる重要な認知機能です。
先日公開した記事「視覚と集中力の意外な関係」では、フェンシング金メダリストの視覚戦略から、集中力の本質が「たくさん見ること」ではなく「不要な情報を見ないこと」であることを解説しました。この「選択的注意」の能力は、実はワーキングメモリと密接に関連しています。
本記事では、査読済み研究論文に基づいて効果が実証されているワーキングメモリのトレーニング法を詳しく解説します。最新の神経科学研究から明らかになった「ワーキングメモリの質と量」の違い、年齢別の最適なアプローチ、そして脳のパフォーマンスを栄養面からサポートする方法まで、包括的にお届けします。

代表取締役 阿久津貴史 (公式HP)
元パワーリフティング選手(2023年11月の世界選手権を最後に引退)
2010年~2023年105kg級日本代表(2021~2023年団長)
2012~2023年全日本選手権12連覇
パワーリフティングジム TXP代表
NSCA-CPT(2001年取得)
NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト(2004年取得)
公認スポーツメンタルコーチ

現在プライベートでは東京都立大学大学院人間健康科学研究科において認知運動制御研究の第一人者の樋口貴広教授の元で研究生活を送っている。
ワーキングメモリとは何か──脳の「作業台」の重要性
ワーキングメモリ(作業記憶)は、情報を一時的に保持しながら処理する脳の能力です。パソコンで例えるなら、ハードディスクではなく「RAM(メモリ)」に相当します。長期記憶が図書館だとすれば、ワーキングメモリは「作業台」なのです。
日常生活でのワーキングメモリの働き
ワーキングメモリは、私たちが意識しないうちに以下のような場面で使われています。
- 会話中:相手の言葉を保持しながら、適切な返答を考える
- 読書時:前の文章の内容を覚えながら、新しい情報を理解する
- 計算時:途中の計算結果を覚えながら、次の計算を進める
- 料理中:複数の工程を同時進行させながら、タイミングを調整する
- 運転時:周囲の状況を把握しながら、目的地への経路を考える
つまり、ワーキングメモリの容量や効率が高いほど、複雑な思考や判断がスムーズになるのです。
ワーキングメモリと他の認知機能の関係
近年の研究では、ワーキングメモリが以下の能力と密接に関連していることが明らかになっています。
- 集中力:重要な情報を保持し、無関係な刺激を排除する
- 判断力:複数の選択肢を同時に評価し、最適な決定を下す
- 学習能力:新しい情報を既存の知識と統合する
- 問題解決能力:複数の要素を組み合わせて創造的な解決策を見出す
アスリートにとってのワーキングメモリ
スポーツの現場では、ワーキングメモリの重要性がさらに顕著です。試合中に戦術を記憶しながら状況判断を行い、相手の動きを予測しながら自分の動作を調整する──これらすべてがワーキングメモリに依存しています。
衝撃の事実:視覚的ワーキングメモリは「量」より「質」が重要だった
従来、ワーキングメモリのトレーニングは「容量を増やすこと」に焦点が当てられてきました。しかし、2023年にJournal of Cognitionに発表された画期的な研究は、この常識を覆しました。
「質」の向上が本質的な改善をもたらす
Jiang、Jones、Von Bastianらの研究チームは、ワーキングメモリトレーニングの効果を詳細に分析しました。その結果、驚くべき事実が明らかになったのです。
研究の主要な発見
トレーニングは保持できる情報の「量」を増やすのではなく、保持している情報の「質」を向上させることが判明しました。具体的には、各情報の精度や鮮明さが向上し、ノイズが減少することで、より正確で効率的な情報処理が可能になります。
これは何を意味するのでしょうか?例えば、電話番号を覚える場合を考えてみましょう。
量の向上: 7桁だった記憶容量が10桁に増える(でも各桁は曖昧)
質の向上: 7桁のままだが、各桁が鮮明で確実に記憶される
研究では、質の向上の方が実用的なパフォーマンス改善につながることが示されました。曖昧な情報を多く保持するより、少数の情報を高精度で保持する方が、実際の判断や行動において有効なのです。
なぜ「質」が重要なのか──神経科学的メカニズム
ワーキングメモリの質が向上すると、脳内では以下のような変化が起こります。
- 信号対雑音比の改善:重要な情報の神経活動が強化され、ノイズが抑制される
- 情報の安定性向上:時間経過による記憶の劣化が減少する
- 干渉への抵抗性:新しい情報による既存情報の上書きが起こりにくくなる
つまり、「何個覚えられるか」ではなく「どれだけ正確に覚えられるか」が、実際のパフォーマンスを左右するのです。

科学的に実証されたワーキングメモリトレーニング法
では、ワーキングメモリの質を向上させるには、どのようなトレーニングが効果的なのでしょうか?最新の研究から明らかになった、科学的根拠のある方法を紹介します。
1. バーチャルリアリティ(VR)トレーニング──高齢者でも効果大
2024年にBMC Psychiatryで発表された研究では、健康な高齢者を対象にVRベースのトレーニングの効果が検証されました。
研究の概要
- 対象:60歳以上の健康な高齢者
- 介入:週3回、各45分のVR認知トレーニング(8週間)
- 内容:視覚記憶タスク、注意力タスク、空間認知タスク
驚くべき結果
VRトレーニングの効果
視覚記憶: トレーニング群で有意な改善が確認され、特に複雑な視覚情報の保持能力が向上
持続的注意力: 長時間のタスクにおける集中力維持能力が改善
実用性: トレーニング効果は日常生活の記憶タスクにも転移
重要なのは、高齢者でも脳の可塑性により、ワーキングメモリの向上が可能であるという点です。「年齢のせいで記憶力が落ちた」と諦める必要はないのです。
2. 身体運動──視覚空間ワーキングメモリへの特効薬
2024年にFrontiers in Public Healthで発表されたネットワークメタ分析は、軽度認知障害やアルツハイマー病の患者における身体活動の効果を包括的に評価しました。
研究が明らかにした最適な運動
複数の運動介入を比較した結果、視覚空間ワーキングメモリの改善に最も効果的だった運動は以下の通りです。
第1位: 太極拳などのマインドボディエクササイズ
身体の動きと呼吸、注意のコントロールを統合する運動が最も高い効果を示しました。
第2位: 有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、サイクリングなどの持続的な有酸素運動も有意な改善をもたらしました。
第3位: 抵抗運動(筋トレ)
筋力トレーニングも認知機能改善に寄与しますが、ワーキングメモリへの効果は他の運動に比べやや低めでした。
なぜ身体運動がワーキングメモリを改善するのか
運動による認知機能改善のメカニズムは複雑ですが、主に以下の要因が関与しています。
- 脳血流の増加:運動により前頭前野や海馬への血流が増加し、酸素と栄養の供給が向上
- BDNF(脳由来神経栄養因子)の増加:神経細胞の成長と生存を促進
- 神経新生の促進:海馬における新しい神経細胞の生成
- 炎症の抑制:慢性炎症が認知機能に悪影響を与えることが知られており、運動はこれを軽減

3. マルチドメイン認知トレーニング──包括的アプローチの力
2023年のJournal of Global Healthに発表された1年間の大規模研究では、軽度認知障害や軽度認知症の高齢者を対象に、マルチドメイン認知トレーニングの効果が検証されました。
マルチドメイン認知トレーニングとは
単一の認知機能だけでなく、複数の認知領域を同時にトレーニングする包括的なアプローチです。
- 記憶トレーニング:言語記憶、視覚記憶、作業記憶
- 注意力トレーニング:持続的注意、選択的注意、分割注意
- 実行機能トレーニング:計画、問題解決、認知的柔軟性
- 協調性トレーニング:視覚運動協調、バランス、反応速度
1年間の継続で得られた効果
研究結果のハイライト
全般的認知機能: 包括的な認知能力が有意に改善
ワーキングメモリ: 作業記憶の容量と処理速度が向上
注意力: 長時間の集中力維持能力が改善
協調性: 身体と認知の統合能力が向上
特筆すべきは、効果が1年間にわたって持続し、さらに向上し続けたという点です。これは、認知トレーニングが単なる一時的な改善ではなく、脳の構造的・機能的変化を促すことを示しています。
4. ニューロフィードバックトレーニング──脳波を可視化して最適化
2018年のFrontiers in Behavioral Neuroscienceに発表された研究では、SMR(感覚運動リズム)ニューロフィードバックトレーニングの効果が検証されました。
ニューロフィードバックとは
ニューロフィードバックは、リアルタイムで脳波を測定し、その情報を視覚的または聴覚的にフィードバックすることで、脳活動のセルフコントロールを学習する方法です。
SMRトレーニングの効果
健康な高齢者を対象とした研究では、SMRニューロフィードバックトレーニング(週2回、30分、10週間)により以下の改善が確認されました。
- ワーキングメモリパフォーマンス:数字や図形の記憶タスクで有意な改善
- 脳波パターン:集中状態に関連するSMR波(12-15Hz)の増加
- 反応時間:情報処理速度の向上
ニューロフィードバックは、脳が最適な状態を「学習」し、日常生活でもその状態を再現できるようになるという点で、他のトレーニング法とは異なる特徴を持っています。
年齢別アプローチ──若年層と高齢者で異なる最適戦略
ワーキングメモリトレーニングの効果は、年齢によって異なるアプローチが必要です。
若年層(18-40歳)での効果と注意点
若年層ではワーキングメモリの基礎能力が高いため、トレーニング効果についてより慎重な評価が必要です。
2017年のPsychology and Agingに発表されたベイズ統計を用いた研究では、健康な若年成人を対象としたワーキングメモリトレーニングの効果を厳密に評価しました。
若年層での研究結果
- 訓練タスクでの向上:明確に確認される
- 未訓練タスクへの転移:限定的または不明確
- 日常生活への影響:統計的に有意な証拠は不十分
これは、若年層では既にワーキングメモリが最適化されているため、さらなる向上の余地が限られている可能性を示唆しています。
高齢者(60歳以上)での顕著な効果
一方、高齢者を対象とした研究では、より一貫して肯定的な結果が報告されています。
2020年のJournals of Gerontologyに発表されたメタ分析では、22のランダム化比較試験を統合分析し、高齢者でのワーキングメモリトレーニングの長期効果を評価しました。
高齢者での研究結果
即時効果: トレーニング直後に有意な改善が確認され、効果サイズは中程度
長期効果: 3ヶ月後のフォローアップでも効果が持続
転移効果: 推論能力や処理速度など、他の認知機能にも肯定的な影響
高齢者では加齢に伴うワーキングメモリの低下があるため、トレーニングによる改善の余地が大きく、効果も明確に測定できるのです。
実践的ヒント──科学が証明した日常でできるワーキングメモリ強化法
専門的なトレーニングプログラムに参加しなくても、最新の研究成果を日常生活に取り入れることでワーキングメモリを効果的に鍛えることができます。
1. 運動と認知課題の組み合わせ──相乗効果を狙う
2023年のPeerJに発表されたメタ分析では、運動と認知トレーニングを組み合わせることの効果が検証されました。
研究が明らかにした最適な組み合わせ
組み合わせトレーニングの優位性
運動単独または認知トレーニング単独よりも、両者を組み合わせた方がワーキングメモリの改善効果が大きいことが判明しました。特に高齢者において顕著な効果が確認されています。
日常での実践法
- ウォーキング中の認知課題:散歩しながら、見たものを後で思い出す練習(「赤い車を3台見た」など)
- エアロバイク+記憶ゲーム:運動しながらタブレットで記憶タスクを実行
- ダンス:振り付けを覚えながら身体を動かす(運動と記憶の同時トレーニング)
2021年のEuropean Review of Aging and Physical Activityのメタ分析でも、中強度の有酸素運動(週3回、45-60分)が高齢者のワーキングメモリを有意に改善することが確認されています。
2. マインドフルネス瞑想──注意制御能力の向上
2016年のJournal of Adolescent Healthに発表されたランダム化比較試験では、思春期の若者を対象にマインドフルネス瞑想の効果が検証されました。
研究結果
4週間のマインドフルネス瞑想プログラム(週5回、各10-15分)により、ワーキングメモリ容量が有意に向上しました。特に、注意の持続と気が散る刺激の抑制能力が改善されました。
実践的な瞑想法
基本的な呼吸瞑想:
1. 快適な姿勢で座る
2. 目を閉じて、呼吸に意識を向ける
3. 思考が浮かんでも、評価せずに呼吸に意識を戻す
4. 10-15分間継続する
重要なのは「完璧に集中すること」ではなく、注意が逸れたことに気づいて戻す練習です。この「気づいて戻す」プロセスが、ワーキングメモリの制御能力を鍛えます。
3. 睡眠の質を最適化──記憶の定着と脳のリセット
2024年のSleep Healthに発表された研究では、睡眠不足が認知機能に与える影響が詳細に調査されました。
睡眠不足の深刻な影響
健康な成人が1週間にわたって睡眠時間を制限された結果、以下の認知機能が低下しました。
- ワーキングメモリ:情報の保持と処理能力が著しく低下
- 注意力:持続的注意と選択的注意の両方が低下
- 処理速度:情報処理と反応時間が遅延
さらに、2020年のCurrent Opinion in Neurobiologyのレビューでは、睡眠中に記憶が強化され、ワーキングメモリの「容量」がリセットされることが示されています。
睡眠の質を高める実践法
睡眠最適化のための5つの習慣:
1. 規則的な就寝・起床時間:毎日同じ時間に寝起きする
2. 7-9時間の睡眠確保:最低でも7時間は確保する
3. 就寝2時間前のデジタルデバイス制限:ブルーライトを避ける
4. 適度な運動:就寝3時間前までに終える
5. 寝室環境の最適化:暗く、静かで、涼しい環境(16-19℃が理想)
4. 日常生活での注意トレーニング──実用的なワーキングメモリ強化
2015年のPLoS ONEに発表されたメタ分析では、ワーキングメモリトレーニングが日常生活の不注意を改善することが示されました。
日常で実践できる注意トレーニング
- 買い物リスト記憶:メモを見ずに5-7品目を覚えて買い物する
- 電話番号記憶:新しい番号を聞いたら、すぐにメモせず30秒間保持してから記録
- 会話要約:会議や講義の後、主要な3つのポイントを思い出して書き出す
- 逆順タスク:一日の出来事を逆順に思い出す(夕方→昼→朝)
- デュアルタスク:2つの簡単な作業を同時に行う(例:歩きながら曜日を逆順で言う)
5. 栄養サポート──脳の物質的基盤を整える
2021年のClinical Nutritionに発表されたランダム化比較試験では、栄養補給がワーキングメモリに与える影響が検証されました。
研究の詳細と結果
高齢者を対象に、以下の栄養素を24週間補給しました。
- オメガ3脂肪酸(DHA・EPA):1日1,000mg
- ルテインとゼアキサンチン:視覚と認知をサポートするカロテノイド
- ビタミンE:抗酸化作用
結果として、ワーキングメモリパフォーマンスが有意に改善され、特にエピソード記憶と処理速度の向上が確認されました。
アスリート向け実践統合プログラム
競技パフォーマンスを最大化するワーキングメモリ強化の統合アプローチ:
朝(起床後): 10分間のマインドフルネス瞑想で注意制御を準備
午前中: 栄養サポート摂取(オメガ3、α-GPC、PSなど)
トレーニング時: 戦術課題と身体運動の組み合わせ(例:特定の動きパターンを記憶しながら実行)
夜(就寝前): 7-9時間の質の高い睡眠で記憶を定着させる
継続性: 週5-6日、最低8週間続けることで構造的な脳変化を促す
科学が教える継続のコツ
どんなに効果的な方法でも、継続できなければ意味がありません。研究から明らかになった継続のための重要なポイントは以下の通りです。
継続のための3つの原則
1. 小さく始める: いきなり全部やろうとせず、1つの方法から開始する(例:毎朝10分の瞑想のみ)
2. 習慣化する: 既存の習慣に紐づける(例:歯磨き後に瞑想、朝食後に栄養サポート)
3. 進捗を記録する: 変化を実感できるよう、週1回簡単な記憶テストを行う
ワーキングメモリを栄養面からサポートする
トレーニングと並行して、適切な栄養サポートがワーキングメモリのパフォーマンスを最適化します。
脳のワーキングメモリを支える重要栄養素
科学的研究により、以下の成分がワーキングメモリの機能をサポートすることが示されています。
1. DHA・EPA(オメガ3脂肪酸)
脳細胞膜の主要構成成分であり、神経伝達の効率化に寄与します。
- 脳血流の改善:前頭前野への酸素・栄養供給を促進
- 神経可塑性の向上:BDNF(脳由来神経栄養因子)の増加
- 抗炎症作用:慢性炎症による認知機能低下を抑制
2. ホスファチジルセリン(PS)
神経細胞膜の流動性を維持し、情報伝達をスムーズにします。
- 記憶の定着:海馬での長期増強を促進
- ストレスホルモンの調整:コルチゾール過剰分泌を抑制
- 神経伝達物質の放出促進:アセチルコリンやドーパミンの活動をサポート
3. α-GPC(アルファ-グリセロホスホコリン)
アセチルコリンの前駆体として、ワーキングメモリの神経基盤を強化します。
- アセチルコリンの増加:学習と記憶の主要神経伝達物質
- 注意力の向上:前頭前野の活動を最適化
- 処理速度の改善:情報の取り込みと処理を加速
4. L-テアニン
リラックスした集中状態を促進し、ワーキングメモリの効率を高めます。
- α波の増加:覚醒しながらリラックスした理想的な脳波状態
- ストレス軽減:不安がワーキングメモリに与える悪影響を軽減
- 注意の持続:長時間の認知タスクでのパフォーマンス維持
5. その他の重要成分
- イチョウ葉エキス:脳血流の増加と抗酸化作用
- クルクミノイド:脳の抗炎症作用とBDNF増加
- マンゴー葉エキス(Zynamite):持続的な精神的エネルギーと疲労軽減

ワーキングメモリを多角的にサポート
脳パフォーマンスを最大化するために、PPNでは111'NEURO DRIVEを開発しました。本製品は、上記で紹介した重要栄養素を含む9種類の機能性原料を、科学的エビデンスに基づく有効量で配合しています。
主要配合成分
Neumentix® / Zynamite® / α-GPC / LIPAMIN PS™ / Suntheanin® / DHA・EPA / ホワイトクルクミノイド / イチョウ葉エキス / ムクナ抽出物
✓ 神経伝達物質の最適化(アセチルコリン・ドーパミン)
✓ 脳血流と酸素供給の向上
✓ 神経細胞膜の健全性維持
✓ 抗酸化・抗炎症作用
✓ BSCG認証取得済み(全ロット検査)
まとめ:ワーキングメモリは鍛えられる──科学が証明した可能性
本記事では、最新の神経科学研究に基づいて、ワーキングメモリのトレーニング法と栄養サポートについて解説してきました。重要なポイントをまとめます。
科学が明らかにした5つの真実
1. ワーキングメモリは「量」より「質」
保持できる情報の数を増やすより、各情報の精度と鮮明さを向上させることが実用的なパフォーマンス改善につながる。
2. 高齢者でも改善可能
脳の可塑性により、60歳以上でもワーキングメモリの向上が実証されている。「年齢のせい」と諦める必要はない。
3. 運動と認知課題の組み合わせが最強
運動単独、認知トレーニング単独よりも、両者を組み合わせた方が効果が大きい。特に中強度の有酸素運動が効果的。
4. 睡眠は非交渉事項
7-9時間の質の高い睡眠がなければ、どんなトレーニングも効果が半減する。睡眠中に記憶が定着し、ワーキングメモリの容量がリセットされる。
5. 継続が鍵──小さく始めて習慣化
効果を得るには最低8週間の継続が必要。いきなり全部やろうとせず、1つの方法から始めて習慣化することが成功の秘訣。
ワーキングメモリ向上の実践ロードマップ
これらの知見を踏まえ、実践的なアプローチを提案します。
ステップ1(最初の2週間): 睡眠習慣の最適化(7-9時間確保)と朝10分の瞑想から開始
ステップ2(3-8週間): 週3回の中強度有酸素運動を追加、運動中に記憶課題を組み合わせる
ステップ3(2-3ヶ月): 栄養サポート(オメガ3、α-GPC、PSなど)を導入、日常での注意トレーニングを習慣化
ステップ4(3ヶ月以降): 必要に応じてVRまたは専門的認知トレーニングを追加、効果を評価して最適化
最後に──挑戦者へのメッセージ
ワーキングメモリは、私たちの認知能力の中核をなす重要な機能です。それは単なる「記憶力」ではなく、思考、判断、学習、創造のすべてを支える「脳の作業台」なのです。
アスリートとして、そして経営者として、私は常に脳のパフォーマンスを最大化することの重要性を実感してきました。試合での瞬時の判断、ビジネスでの複雑な意思決定──これらすべてがワーキングメモリに依存しています。
幸いなことに、最新の神経科学研究は明確に示しています。ワーキングメモリは鍛えられる。年齢に関係なく、適切なトレーニングと栄養サポートにより、改善が可能なのです。
今年もそろそろ終わりますが、本記事で紹介した方法を新しい年から実践し、来年は過去最高の脳パフォーマンスを目指すのもよいのではないでしょうか。
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