BC-30 ガネデン乳酸菌は、プロバイオティクスの一種で、体内の胃酸や胆汁に負けずに生きたまま腸に届くことができる乳酸菌です。
この記事では、BC-30 ガネデン乳酸菌の特徴や効果、摂取方法などについて詳しくご紹介します。アスリートにとっても有用な成分であり、プロテインやHMB、ミネラルを積極的に摂取する選手は是非最後までご覧ください。
著者紹介
パワーリフティング全日本選手権12連覇・現日本記録保持
NSCA-CSCS・NSCA-CPT/認定スポーツメンタルコーチ
阿久津貴史 (公式HP)
1982年生まれ。パワーリフティングの競技者として活動するとともに、パワーリフティング専門ジム「TXP」を運営。後進育成・コーチングも精力的に行っており、全日本優勝者を多数輩出。アスリートのパフォーマンス向上を目的とした、理想的なエルゴジェニックエイドの開発にも日々尽力している。
BC-30 ガネデン乳酸菌とは
まず、BC-30 ガネデン乳酸菌の特徴を端的にお伝えするとすれば、以下の5点が挙げられます。
1:有胞子性乳酸菌であり、高温や低温、乾燥や湿気、胃酸や胆汁などの過酷な条件に耐えることができる。
2:食品や飲料に添加されても品質が低下しにくく、生きたまま腸に届くことができる。
3:腸内細菌叢のバランスを整えることで、消化器系の不調や感染症に対する抵抗力を高める。
4:プロテインやHMB、ミネラルなどの栄養素の吸収を高めることで、筋肉合成やエネルギー産生などの生命活動をサポートする。
5:25以上の研究によって効果が確認されており、世界中の1000以上の食品や飲料、ペット用品に使用されている。
BC-30 ガネデン乳酸菌は、正確には「Bacillus coagulans GBI-30, 6086」という種類の有胞子性乳酸菌です。有胞子性とは、細胞が外部環境に適応するために保護胞子という殻を作る菌のことを指します。 BC-30はこの保護胞子によって、高温や低温、乾燥や湿気などの過酷な条件に耐えることができます。
また、胃酸や胆汁などの消化液にも負けずに生き残ることができます。そのため、BC-30 ガネデン乳酸菌は、食品やサプリメントに添加されても品質が低下しにくく、生きたまま腸に届きやすい、いわゆる「プロバイオティクス」です。
腸に到達したBC-30は、腸内の水分量や温度・栄養素などが発芽に必要な条件を満たしていれば、保護胞子を破って発芽し、その効果を発揮します。
BC-30 ガネデン乳酸菌の効果について詳しく
BC-30 ガネデン乳酸菌は、整腸や免疫賦活だけでなく、プロテインやHMB、ミネラルなどの栄養素の有効活用もサポートするプロバイオティクスです。これらの効果は、25以上の研究によって確認されています。
抗炎症・免疫効果
たとえばこちらの論文では、BC-30 ガネデン乳酸菌の細胞壁と代謝産物が、炎症や免疫にどのような影響を与えるかについて、細胞培養実験で検証しています。
その結果、BC-30の細胞壁がマクロファージから炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-6など)や一酸化窒素(NO)を減少させることで、抗炎症効果を示しました。 また、BC-30の代謝産物がマクロファージから抗炎症性サイトカイン(IL-10など)を増加させることで、免疫調節効果を示したとされています。
他にも、BC-30の細胞壁と代謝産物は、T細胞からTh1型サイトカイン(IFN-γなど)やTh17型サイトカイン(IL-17Aなど)を減少させることで、自己免疫反応を抑制する効果を示したとされています。
プロテインからのアミノ酸吸収の増加
こちらの論文では、BC-30が含まれたミルクプロテインを摂取した場合と、ミルクプロテインのみを摂取した場合に、血中のアミノ酸濃度や血糖値などがどのように変化するか比較研究が行われています。
その結果、BC-30とミルクプロテインを含む飲料を摂取した群では、牛乳タンパク質だけを含む飲料を摂取した群に比べて、血中のアミノ酸濃度が有意に高くなりました。特に、筋肉合成に重要な分岐鎖アミノ酸(BCAA)やロイシンなどのアミノ酸が多く吸収されたという結果になっています。
また、BC-30 ガネデン乳酸菌と牛乳タンパク質を含む飲料を摂取した群では、牛乳タンパク質だけを含む飲料を摂取した群に比べて、血糖値が有意に低くなりました。これは、BC-30 ガネデン乳酸菌がインスリン感受性を高めることで、血糖値の上昇を抑制することが示唆されています。
HMBの吸収の高める
こちらの論文では、BC-30とHMBを含むサプリメントを摂取した場合と、プラセボを摂取した場合との間で、血中や尿中の筋肉損傷マーカーや炎症マーカーなどの変化を比較するために行ったヒト臨床試験が行われています。
結果、BC-30 ガネデン乳酸菌は、HMBの吸収を高めることが示唆されており、HMBと一緒にBC-30 ガネデン乳酸菌を摂取した群では、HMBだけを摂取した群に比べて、血中のHMB量が有意に増加したことが示されました。
また、別の臨床試験では、HMBとBC-30 ガネデン乳酸菌を併用摂取することで、HMB単独摂取よりも抗炎症効果が高いことが報告されています。
ミネラルの吸収を高める
ミネラルは、カルシウムやマグネシウムなどの無機質で、骨や歯の形成や神経伝達などの生理機能に必要な栄養素です。ミネラルは、食事やサプリメントから摂取することができますが、その吸収率は低いと言われています。
BC-30 ガネデン乳酸菌は、ミネラルの吸収を高めることも示唆されています(参照)。動物実験では、BC-30 ガネデン乳酸菌を摂取した群では、対照群に比べて、カルシウムやマグネシウムなどの腸管からの吸収率が有意に増加したことが示されました。
これは、BC-30 ガネデン乳酸菌が腸内環境を改善し、腸壁の透過性を高めることで、栄養素の通過性を向上させることを示唆しています。
身体パフォーマンスの回復に使える
身体を酷使するアスリートであれば、身体パフォーマンスを如何に回復させるかは非常に重要な項目です。
先日、スポーツ栄養学の世界的権威であるラルフ・イエーガー博士とお話する機会がありましたが、博士は過去の研究で、BC30のようなプロバイオティクスが筋肉損傷、回復感覚、運動能力に及ぼす影響が調査されていました(参照)。
研究の方法は、健康な男性被験者20人を2つのグループに分け、片脚で高強度のトレーニングを実施させるというものです。片方のグループはプロバイオティクスを摂取した群、もう片方のグループはプラセボを摂取した群に分け、トレーニング前後に筋肉損傷、回復感覚、運動能力を測定しています。
結果は、プロバイオティクスのグループはプラセボのグループに比べて、筋肉損傷のマーカーが低く、回復感覚が高く、運動能力が向上したことが示されました。そのため、プロバイオティクスのサプリメントは筋肉損傷の軽減、回復感覚の改善、運動能力の向上に有効である可能性があると結論づけられています。
まとめ
上記のように、BC-30の摂取によってアスリートにとっても数々のメリットがあると言えます。一緒に摂取する成分によって、恩恵はさらに広がると思われます。
イエーガー博士からも、アメリカの健康食品業界の市場状況、最新の研究データ、私自身が疑問に思っていたことなどをお聞きすることができ、貴重な情報をたくさんご教授いただきました。
これらの内容を踏まえ、当社PPNでも引き続き新たな商品開発と製品のアップデートに尽力致します。
PPNのサプリメント管理体制について
サプリメント摂取によるアンチドーピング規則違反からアスリートを守る唯一の方法、それは、全製品の、全ロットを、市場に流通させる前に検査を実施することです。
市場に流通させながら全ロット検査を実施しているメーカーはいくつかありますが、アスリートのドーピング陽性リスクを極力排除するためには、全ロット検査でも十分ではないと考えています。
そのため、PPNでは全製品・全ロットに対して、市場に流通させる前に検査を実施するだけでなく、「結果を確認するまで出荷しない」という管理体制を取っています。
この体制を取っているメーカーは世界で唯一弊社しかありません。アスリートにとって栄養摂取は投資であり、ドーピング検査の徹底は保険です。PPNでは「体感」と「安全性」を実現できる製品開発に尽力しています。
BC-30を配合した高純度カゼインプロテイン『730'CASEIN PROTEIN』のご紹介
『730'CASEIN PROTEIN』は、筋量アップが目的のアスリートのために開発された100%カゼインプロテインです。数多くあるカゼインプロテイン原料の中から特に精製度が高く純度の高い原料を厳選採用してます。
さらに、本記事で説明したBC-30の配合によって、タンパク質の吸収率を高める設計にしています。
最大筋力・パワーを求められる競技において、まず課題となるのがそもそもの筋肉の絶対量です。一歩上のフィジカルを得たいアスリートは、是非詳細をご確認ください(詳細は以下のバナーをクリックしてください)。