フローは設計できるのか?

フローは設計できるのか?

【フロー状態とは何か?】

「気づいたら数時間経っていた」
「考える前に身体が動いていた」
「なぜか今日は異常に集中できた」

こうした感覚を、心理学者ミハイ・チクセントミハイは「フロー状態(Flow State)」と呼びました。

チクセントミハイによるフロー状態の定義:「ほとんど自動的で,努力感がなく,しかし極度に集中した意識状態 ‘‘an almost automatic, effortless, yet highly focused state of consciousness’’」

アスリートでいう“ゾーン”に近い状態ですね。

面白いのは、近年この感覚が単なる精神論ではなく、スポーツ心理学や神経科学からも少しずつ説明され始めていることです。

例えば2021年のメタ解析では、フロー体験とパフォーマンスには一貫した正の相関が確認されています(Harris et al., 2021)。

もちろん「フローに入れば勝てる」と単純に言えるわけではありません。

ただ少なくとも、

・集中しやすい条件
・没入しやすい課題設定
・注意が乱れにくい環境

には、一定の共通点がある可能性が見えてきています。

 

【「考えすぎると動けない」の正体】

特に興味深いのが、「考えすぎると動けなくなる」現象です。

フロー研究では、認知神経科学者アーン・ディートリッヒが提唱した「トランジエント・ハイポフロンタリティ仮説(一過性前頭葉機能低下仮説)」が有名です。

 

これは、前頭前皮質(自己評価・分析・人の目を気にする領域)の活動が一時的に変化することで、“身体が勝手に動く感覚”が生まれるのではないか、という考え方です。

トップ選手が言う、

「無心だった」
「考えていなかった」
「身体が勝手に動いた」

という感覚にも、少し科学的な説明がつき始めています。

 

【集中力は“環境設計”できる?】

また、「プレパフォーマンスルーティン(PPR)」という言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。

試合前に毎回同じ動作をする。
作業前にデスクを整える。
スマホを伏せてタイマーをセットする。

こうした“集中モードへ入るための儀式”のことです。

実際、メタ解析でもパフォーマンス向上との関連が示されています。

フロー状態を目指すには“注意を焦点化させるための意図的な環境設計”の側面がかなり大きいのかもしれません。

 

【今回のブログで解説したこと】

今回のブログでは、

・フロー状態の神経科学
・「考えすぎる」と動けなくなる理由
・ゾーンとの違い
・フロー状態に入りやすくする具体的方法
・睡眠やコンディションとの関係

などを、研究を交えながらかなり深く整理しました。

「フローって結局なんなの?」
という方には、かなり面白い内容になっていると思います。

▼ブログはこちら
https://theppn.jp/blogs/blog/260426

 

最近は「集中力」や「注意制御」をテーマにした研究が急速に増えています。

PPNでもヒトのパフォーマンスを最大化するというテーマの元、現在、この領域をかなり深く追いかけています。

その流れの中で開発したのが、脳のパフォーマンスアップ分野「ヌートロピック」サプリ
「111’NEURO DRIVE」。

今回のブログ内容ともかなり繋がるテーマなので、興味のある方は商品ページも覗いてみてください。

▼111’NEURO DRIVE

【追伸】

集中力という点で、私自身が日頃かなり意識しているのが「SNSとの距離感」です。
私もSNSアカウントは持っていますが、アプリはメインスクリーンではなく、あえてスライドした2枚目以降に配置しています。
 
こうした小さな“環境設計”だけでも、無意識に通知へ注意を持っていかれる回数や閲覧時間もかなり減ります。
 
自分の注意リソースをどう管理するかを日頃から心がけることでフローに近づけると個人的には考えています。
 

引き続き,皆さまと共にヒトの可能性を引き上げる挑戦を続けていきたいと思います。

阿久津貴史


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