カゼインプロテインの最強活用法。

アスリートが利用するプロテインには、ホエイ、カゼイン、牛乳、大豆や卵をベースとしたものなど、さまざまな種類があります。それぞれの種類ごとに特徴がありますが、特徴を比較する際に注目したいのがアミノ酸のバイオアベイラビリティ(bioavailability)です。これは、摂取されたアミノ酸がどの程度効率的に体内で吸収・利用されるかを指します。

今回は数あるプロテインの種類の中でも、カゼインプロテインについて詳しく解説しようと思います。バイオアベイラビリティが高く、また遅効性であることが特徴のカゼインプロテインですが、これらを活かした最適な摂取方法があります。

今回は「カゼインプロテインの最強活用法」と題して、それぞれの競技パフォーマンスを上げるためのカゼインプロテイン摂取方法を紹介します。ホエイとの比較についても述べていますので、現在はカゼインとは別の種類のプロテインを摂取している選手も、是非参考にされてください。

阿久津貴史

著者紹介

パワーリフティング全日本選手権12連覇・現日本記録保持
NSCA-CSCS・NSCA-CPT/認定スポーツメンタルコーチ

阿久津貴史公式HP

1982年生まれ。パワーリフティングの競技者として活動するとともに、パワーリフティング専門ジム「TXP」を運営。後進育成・コーチングも精力的に行っており、全日本優勝者を多数輩出。アスリートのパフォーマンス向上を目的とした、理想的なエルゴジェニックエイドの開発にも日々尽力している。

タンパク質が体内に消化吸収される仕組み

まず、摂取したタンパク質がどのようにして体内でアミノ酸に分解され、吸収されるか説明します。 摂取されたプロテインは、胃で消化されます。胃の酸と消化酵素(ペプシンなど)が働き、タンパク質がより小さいペプチド鎖に分解されます。

その後、小腸に達したペプチド鎖は、膵臓から分泌される酵素(トリプシンやキモトリプシンなど)によってさらに分解されます。この過程で、タンパク質は最終的にアミノ酸にまで細分化されます。 細分化されたアミノ酸は、小腸の壁を通じて血流に吸収されます。

これは主に小腸の細胞に存在する特定のトランスポーターを介して行われます。血液中に入ったアミノ酸は体全体に運ばれ、筋肉の合成をはじめ、さまざまな生理的プロセスに利用されます。

タンパク質は、複数のアミノ酸がペプチド結合で結びついてできた大きな分子ですので、このままでは吸収されません。体内での消化過程を通じて、個々のアミノ酸にまで分解される必要があるわけです。

カゼインプロテインの特徴。ホエイと比較してどうなのか?

カゼインプロテインの特徴を理解する場合、ホエイプロテインの特徴と比べて見ると理解しやすくなります。どちらも牛乳由来のタンパク質ですが、吸収時間、組成、摂取後の持続時間が異なります 1)

ホエイは即効性、カゼインは遅効性

ホエイプロテインは水溶性が高く、他の種類のプロテインと比べるとすぐに体内で消化されるため、「即効性のプロテイン」と言えます。水溶性が高いということは、消化管内で溶けやすく、消化酵素とも反応しやすく、消化管を通過する速度が早いということです。

一方で、カゼインプロテインは水に溶けにくい特徴があります。具体的には、低pH(酸性)環境では、カゼインプロテイン内の分子間の反発力が消失し、凝固して沈殿します。これにより胃からの排出が遅くなり、消化と吸収が遅くなります 2)。 その結果、カゼインプロテインを摂取した後の血中アミノ酸濃度の増加は、ホエイよりもだいぶ遅くなります。

そのため、カゼインプロテインは「遅効性のプロテイン」と言えます。早いから良い・遅いから悪いという意味ではなく、それぞれ適した摂取方法があるということです。

筋タンパク質合成率のピークタイミングの違い

血中アミノ酸濃度は、筋タンパク質合成率と相関します。過去の研究では、運動後にホエイプロテインを摂取した場合と、カゼインプロテインを摂取した場合とでは、筋タンパク質合成率の増加におけるピークのタイミングが異なることが示されています。

たとえば、レジスタンス運動とプロテイン摂取の効果を研究した論文では 3)、ホエイを摂取した場合の筋タンパク質合成は運動後60分でピークに達し、カゼインは120分後にピークに達したことが示されています。また、ホエイプロテインを摂取した場合は筋タンパク質合成が3.5時間増加したという結果になりましたが、カゼインプロテインを摂取した場合は最大6時間増加したことが報告されています 。

まとめると、カゼインプロテインの特徴としては、「長く・ゆっくり」効くという点が一番のポイントとなります。

含まれるアミノ酸の違い

商品によって差はありますが、一般的にカゼインプロテインはシステインを除くすべての必須アミノ酸を提供します。たんぱく質消化性補正アミノ酸スコア(PDCAAS)や消化必須アミノ酸スコア(DIAAS)などの指標によって評価した場合においても、カゼインプロテインは他と比べてバイオアベイラビリティ(生体利用効率)が高いといえます 4)

他にも、アルギニン、グルタミン酸、プロリン、セリン、チロシン、ヒスチジン、メチオニン、フェニルアラニンなどの非必須アミノ酸が、カゼインプロテインに豊富に含まれています。

一方で、ホエイプロテインには、ルシン、イソロイシン、バリンといったアミノ酸がカゼインよりも多く含まれる傾向があります 5)

カゼインの特徴を活かした摂取方法

上記を鑑みた場合、睡眠前にカゼインプロテインを摂取することが非常に効果的といえます。

睡眠中は栄養素を取り込むことができないため、ゆるやかにアミノ酸を吸収して長時間血中アミノ酸濃度を保つことのできるカゼインプロテインならではの特徴が活きるわけです。

バイオアベイラビリティも高いため、過去の研究においても睡眠前のカゼイン摂取が多くのメリットをもたらすことが報告されています。

睡眠前にカゼインプロテインを摂取すると、どのような変化があるのか?

過去の研究では、睡眠前のカゼインプロテイン摂取が、運動後のリカバリーにプラスの効果をもたらす可能性があることが報告されています。

健康な若い男性を対象とした研究では、レジスタンストレーニング後、睡眠の30分前に40gのカゼインプロテインを摂取すると、睡眠中によく消化・吸収されることが示されました。さらに、アミノ酸レベルが急速に増加し、その結果、全身のタンパク質合成速度が増加し、タンパク質バランスが改善され、筋肉の回復にプラスの効果がありました 6)

英国のサッカー選手を対象とした研究では、試合後の睡眠30分前にカゼインプロテイン40gを摂取すると、試合後12時間および36時間でのカウンタームーブメントジャンプのパフォーマンス回復と反応筋力指数の回復にプラスの効果があったことが報告されています。

さらに、ビジュアルアナログスケール(VAS)によって測定された筋肉痛も、対照グループと比較して試合後12時間で有意に軽減されました。 サッカー選手は、試合や夕方のトレーニング後に回復のため十分な食事をとらなかったり、タンパク質を十分に摂取していないケースが散見されます。それによって、筋肉のリカバリーが遅れていると見受けられる選手も少なくありません 7)

サッカー選手選手に限らず、試合・トレーニング後の睡眠前にカゼインプロテインを摂取すれば、できるだけパフォーマンス低下を抑えつつ、次の試合やトレーニングに備えることができるといえるでしょう。

もちろん、起床時や運動直後の素早いアミノ酸摂取を目的とするなら、ホエイのほうがカゼインよりも向いています。ただ、吸収スピードという観点では、分子の大きいたんぱく質よりも、ジペプチド・トリペプチドといったタンパク質源を摂取したほうが吸収がダントツに速くなりますので、より早い吸収を目的とした摂取であれば、ホエイよりもジペプチド・トリペプチドのほうが適していると言えます。

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