近年、認知機能の維持や記憶力向上に対する関心が高まる中、リパミンPS™(大豆レシチン由来ホスファチジルセリン)が注目を集めています。本記事では、信頼性の高い科学的エビデンスに基づき、リパミンPS™の効果について詳しく解説いたします。
この記事を執筆するにあたり、20件以上の査読済み研究論文を精査しました。これには、ヒトを対象とした臨床試験、細胞レベルでの基礎研究、そして複数の研究結果を統合して科学的信頼性を評価したレビュー論文などが含まれます。特に、引用する研究の多くは、その分野で特に影響力が大きいと国際的に認められている学術誌に掲載されたものです。

代表取締役 阿久津貴史 (公式HP)
元パワーリフティング選手(2023年11月の世界選手権を最後に引退)
2010年~2023年105kg級日本代表(2021~2023年団長)
2012~2023年全日本選手権12連覇
パワーリフティングジム TXP代表
NSCA-CPT(2001年取得)
NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト(2004年取得)
公認スポーツメンタルコーチ


現在プライベートでは東京都立大学大学院人間健康科学研究科において認知運動制御研究の第一人者の樋口貴広教授の元で研究生活を送っている。
リパミンPS™とは何か
リパミンPS™は、大豆レシチン(リン脂質)から酵素反応によってL-セリンと結合させて作られるホスファチジルセリン(PS)です。従来の牛脳由来PSとは異なり、BSE(狂牛病)のリスクがない安全な植物由来の成分として開発されました。
Kato-Kataoka et al.(2010)の日本人高齢者を対象とした研究では、大豆由来ホスファチジルセリンが大豆レシチンとL-セリンの酵素反応により製造される過程が詳しく説明されています。この製法により、リパミンPS™は従来の動物由来PSと同等の認知機能向上効果を示しながら、より安全な成分として位置づけられています。
ホスファチジルセリンの基本的性質と脳における役割
Kim et al.(2014)の包括的レビューによると、ホスファチジルセリン(PS)は、私たちの脳の神経細胞を構成する「膜」の重要な成分です。PSは、神経細胞が正常に機能し、健康を維持するための様々な"スイッチ"をONにする役割を担っており、細胞の生存や成長に不可欠な存在です。これを家に例えるなら、PSは「家の構造を支える柱」でありながら、「電気系統のスイッチ」のような役割も果たしていると言えます。
また、2022年のレビュー研究では、PSが脳内で神経細胞同士の情報伝達をスムーズにし、炎症を抑え、シナプス(神経細胞の接続部分)の働きを改善するなど、脳の多様な機能に関与していることが示されています。これらの機能は中枢神経系疾患と密接に関連しており、PSの重要性が改めて確認されています。
認知機能への科学的効果
記憶機能の改善
リパミンPS™の最も注目すべき効果は記憶機能の改善です。日本人高齢者78名を対象とした6ヶ月間の二重盲検プラセボ対照試験では、大豆由来PS(100mg、300mg/日)の投与により、特にベースライン時に相対的に低いスコアを示した被験者で記憶スコアが有意に改善されました。
この改善は主に遅延言語記憶の向上によるもので、これは認知症の最初期段階で低下する記憶能力として知られています。この発見は、リパミンPS™が単なる一般的な記憶向上ではなく、認知機能低下の予防に特に有効である可能性を示唆しています。
認知機能全般の向上
別の12週間のパイロット研究では、大豆由来PS(300mg/日)の投与により、記憶認識、記憶再生、実行機能、精神的柔軟性が有意に改善されることが示されました。これらの結果は、リパミンPS™が記憶力だけでなく、より広範囲な認知機能に対してもポジティブな影響を与えることを示しています。
メタ分析による効果の確認
2022年に発表されたシステマティックレビューとメタ分析では、9件の研究(961名の参加者)を対象に分析を行った結果、PSが認知機能低下のある高齢者の記憶に対して正の効果があると結論づけられました。この大規模な分析により、リパミンPS™の効果は科学的に確立されたものと考えられます。
安全性と副作用について
リパミンPS™の安全性については、複数の臨床試験で確認されています。6ヶ月間の投与試験では、血液マーカーやバイタルサインに変化はなく、PSによる副作用は観察されませんでした。
アルツハイマー創薬財団のレビューでも、小規模な臨床試験において、ホスファチジルセリンサプリメントは高齢患者に対して深刻な副作用を引き起こさないことが示されています。ただし、血圧の軽微な低下や体重増加の可能性が指摘されています。
現在市販されているホスファチジルセリンサプリメントは、狂牛病のリスクを避けるため、植物由来または海洋由来の原料から作られており、リパミンPS™もこの安全な製法で製造されています。
作用メカニズム
専門的な話になりますが、ホスファチジルセリン(PS)が脳で働く仕組みも少しずつ解明されています。
一つの重要な働きは、細胞の膜をしなやかに保ち、細胞同士のコミュニケーション(情報伝達)を円滑にすることです。(参照研究) これにより、神経細胞は効率よく情報をやり取りできるようになります。
また、PSは古くなった細胞や傷ついた細胞がスムーズに処理される際の"目印"としても機能します。この「細胞のお掃除システム」が正常に働くことで、脳内環境は健康に保たれ、機能の維持・修復が促進されると考えられています。(参照研究)
推奨用量と摂取方法
臨床研究で効果が確認されている用量は、通常100-300mg/日の範囲です。メタ分析によると、実験期間は6週間から6ヶ月間で効果が認められており、継続的な摂取が重要であることが示されています。
特に注目すべきは、日本人を対象とした研究で、Soy-PSの効果が6ヶ月の投与直後よりも、3ヶ月のフォローアップ期間後により明確になったという点です。これは、PSが一時的な代謝変化ではなく、構造的な神経変化を引き起こすためと考えられ、治療中止後も有益な効果が維持される可能性を示唆しています。
他の成分との比較優位性
詳細な分子動力学解析では、現在使用されている主要な分子動力学力場(CHARMM36、Lipid17、MacRog、Slipidsなど)を用いてPSの特性を評価した結果、PSが他のリン脂質とは異なる独特な特性を持つことが確認されています。
特に、PSは他のリン脂質(ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミン)と比較して、カチオン結合親和性において独特な特徴を示し、これが脳機能における特別な役割の基盤となっています。
つまり、コンピューターシミュレーションを用いた詳細な分析により、ホスファチジルセリン(PS)が、細胞膜を構成する他のリン脂質成分とは異なる、ユニークな性質を持つことが確認されたということです。特に、PSは脳内の情報伝達に不可欠なミネラル(カルシウムイオンなど)と強く結びつくという際立った特徴を持っています。この性質が、PSが他の成分にはない特別な役割を脳機能において果たす理由の一つと考えられています。

将来の研究展望
2020年の最新レビューでは、PSが免疫学、感染症、がん領域での基礎生理学的意義について言及されており、認知機能改善以外の健康効果についても期待が寄せられています。
今後の研究では、より長期間の効果検証、個人差を考慮した最適用量の決定、他の脳機能サポート成分との併用効果などが検討される予定です。
まとめ
リパミンPS™(大豆レシチン由来ホスファチジルセリン)は、科学的に検証された認知機能向上効果を持つ成分です。特に以下の点が重要です:
- 記憶機能の改善:特に遅延言語記憶の向上により、認知症の初期段階で低下する能力をサポート
- 安全性の確立:6ヶ月間の継続摂取でも副作用は報告されておらず、BSEリスクのない植物由来原料を使用
- 科学的根拠の充実:複数の査読済み研究とメタ分析により効果が実証済み
- 継続効果:構造的な神経変化により、摂取中止後も効果が維持される可能性
認知機能の維持や向上を目指す方にとって、リパミンPS™は科学的根拠に基づいた信頼できる選択肢といえるでしょう。ただし、個人差があるため、医療専門家と相談の上、適切な用量で継続摂取することをお勧めします。
注意事項:本記事は科学的研究に基づく情報提供を目的としており、医学的アドバイスではありません。健康上の問題については、必ず医療専門家にご相談ください。

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