
TAKERU
和太鼓奏者,プロ活動24年目.
経歴
21 歳で「城北流 勝浦太鼓」に入会し和太鼓を始める.
2001年:富士山太鼓まつり大太鼓一人打ちコンテストにて最優秀賞を受賞.これを機にプロ活動開始.
同年,独創性とエンターテイメント性を重視した少数精鋭による創作和太鼓集団「日本太鼓」主宰.
2011年:株式会社日本太鼓設立,代表取締役に就任.
同年「ちば和太鼓フェスタ」の監修を務める.演奏だけでなくプロデュース企画も開始.また,東日本大震災に伴い「元気玉プロジェクト」を立ち上げ,震災や災害復興支援の演奏活動を現在も行っている.
2012年:4年連続「東京オートサロン」でのオープニング演奏.
2013年:公益社団法人日本舞踊協会 第 5 回新作公演 創国紀~神々の宿命~ 音楽協力.
中国(北京・天津)にて「民音芸術団」特別公演~日本詩情 四季光彩~ に出演し絶賛を博す.
2014年:自身をリーダーとする邦楽和楽器ユニット「縁」を結成.
2015年:テレビ出演(魁!音楽の時間)
同年,海外公演(アメリカ カリフォルニア州、中国 北京、インド ムンバイ デリー)
2016年:宜蘭國際童玩藝術節に招待され演奏.
2017年:ウズベキスタンにて開催される音楽祭に出演.
2018年:TAKERU 20 周年記念コンサートを千葉県・勝浦市と市川市で開催.
同年,自身がリーダーを務める邦楽ユニット「縁〜ENISHI〜」 ツアー15公演を実施.
2019年:台湾南部台南市,十鼓文化村で行われる十鼓節に出演.
2020年:TAKERU コンサート「威風」満員御礼. YouTube「コロコロチャンネル」出演.
2022年:令和四年度文化庁芸術祭参加「和太鼓で綴る棟方志功の世界〜わだば日本のゴッホになる〜」を草月ホールにて開催.
2023年:台湾・台中駅でのイベントにゲスト出演.
2024年:NY・カーネギーホールでの演奏.台湾・台中駅でのイベントにゲスト出演.
2025年:NZ・オークランドでの野外演奏で好評を博す.
指導する Jr.チームを全国大会に導くなど次世代を担う若者たちの教育,育成も行っており指導者としても幅広く展開している.

阿久津 貴史
PPN代表,元パワーリフティング選手。2012年に日本記録を樹立し初優勝して以来,12連覇を達成。2023年の世界大会を最後に現役を引退。
また初優勝の年に,日本人のメンタル・フィジカル・スキルの3要素を極限のレベルに高めるという想いを形にすべく、東京都練馬区豊玉北にパワーリフティングジム「Team X-treme Power!!!」(TXP)を設立し、選手が成長しやすい環境作りにも尽力している。現在TXPは国内の主要4大大会で団体優勝を22回達成(2025年時点)
パワーリフティング競技の普及のため,2020年から日本パワーリフティング協会アスリート委員の委員長,NPO法人東京都パワーリフティング協会の副理事長にも就任し組織運営と大会運営に精力的に携わっている。
2024年からは「人間の持つあらゆる能力をいかに高めるか?」という個人的な探究のため,プライベートで東京都立大学大学院知覚運動制御研究室で研究生活をスタート。NSCA-CSCS・NSCA-CPT(20年以上保持者)/認定スポーツメンタルコーチ
ニューヨーク,カーネギーホールで

阿久津:TAKERU先輩,いつも大変お世話になっております!(TAKERU氏は阿久津の大学の先輩)。
本日はお忙しい中,インタビューへのご協力本当に有難うございます!いきなりですが,NYのカーネギーホールでのご公演フェイスブックで知ったのですが「先輩すごっ!」と思いました。その他にニュージーランドや台湾でのご公演と海外でのご公演がどんどん増えてますね。
TAKERU:ありがとうございます。
たまたま知人からカーネギーでの演奏の件が舞い込んで来たので,こんな機会はそうそう無いと思い,実費ではありましたが昨年10月に行かせて頂きました。その月は台湾での仕事もあったので充実した海外遠征でした。ちなみにニュージーランドは今年の2月でした。
阿久津:そういったご縁からのカーネギーホールだったのですね。やっぱり人との出会いで新しい道が拓けていきますよね!
このトップランナーインタビューは何かの目標や夢に向かって生きている全ての方へ各界でご活躍されている方々が歩んでこられた道,競技のこと,普段の生活,そしてTAKERUさんの「魂の叫び」をお聞かせいただければ幸いです。
順番が逆になってしまいましたが,まずは自己紹介をお願いしてもいいでしょうか?
TAKERU:私は21歳の時、(国際武道大学4年)城北流勝浦太鼓に入会し和太鼓を始めました。
柔道で培った精神を武器に2001年富士山太鼓祭り大太鼓一人打ちコンテストにて 最優秀賞を受賞し,これを機にプロとして活動を始めました。
プロ活動24年の実績で,日本全国のみならずアメリカ,中国,台湾,ウズベキスタン等海外でも演奏やワークショップを開催し,和太鼓の魅力を伝えています。昨年10月には音楽の聖地ニューヨーク.カーネギーホールにて演奏。その他にも台湾台中駅イベントに2年連続でゲスト出演。本年2月にはニュージーランド.オークランドにて演奏する等,世界へも活動を広げています。
海外公演で印象に残っていることといえば,小さい頃からジャッキーチェンが大好きで中国にあこがれていたのですが,念願叶い和太鼓で中国に行き演奏することが出来た事が嬉しかったのと,万里の長城を登って頂から無限に続く万里の道を見た時,自分の小ささと世界の大きさや目指すべき道は世界だと,感じる事が出来た経験が宝です。
また,指導者として千葉県中心に15教室開催しており特にジュニアクラスは全国大会で数々入賞するなど,未来の和太鼓界繁栄の為尽力しています。
ちなみに,「世界で活躍する魂の和太鼓奏者」が私のキャッチコピー。
実は和太鼓は伝統楽器ですが,我々が演奏しているスタイルは伝統ではなく,オリジナルの創作和太鼓ですので伝統芸能とは違うのです。もちろん古くから伝わる和太鼓もありますが,エンターテイメントになって来たのは近年なのです。阿久津:「魂の和太鼓奏者!」もう正にこのTOP RUNNER INTERVIEWで聞きたいことそのままのキャッチコピーです。
今日はいろいろお聞かせいただければ幸いです。
バチさばきに感動,その日に「やります!」

阿久津:そんなTAKERU先輩が和太鼓を始めたきっかけを教えていただけますか?
TAKERU:きっかけはたまたま大学の寮でとっていた新聞の折り込みチラシに勝浦太鼓募集の文字が私の目に突き刺ささり,思わず電話をしたら一度見に来なさい!となり,60近い先生のバチさばきに感動してその日にやります と。(笑)
それがきっかけです。
阿久津:まさに運命の出会いだったんですね。そこからこうしてご活躍されるまでいろいろなハードルもあったのではと思ってしまうのですが,ピンの和太鼓奏者を仕事にするというのはいつ頃決められたのですか?
実際にそうした時はどうでしたか?
TAKERU: 25才の時です。勝浦では,毎日道場で練習していたのですが,独立してからは結婚を機に市川市に住んだので練習場所が無かったので,江戸川の河川敷で練習したりと場所で苦労しました。でも不思議と不安は無かったです。根拠の無い自信はありましたね🎵
阿久津: 年間に何公演くらいされるのでしょうか?
TAKERU:だいたい年間40公演くらいかな。
小規模のも入れるともう少しあります。
阿久津: ほとんど週一ペースくらいなのですね!ものすごいエネルギーも使うと思うので,スケジュール感をお聞きして驚きました。
そのようにたくさん公演される中で特に印象に残っている瞬間やエピソードがあれば教えていただけますか?
TAKERU:そうですね~。たまにゾーンに入る事があるのですが,それは一流のアーティストとコラボすると楽しくなって自然に手が動いたり,無意識にわざわざ大変な技を多く使ったりとリミッターが外れる事がありますね。
後の映像を見返すと覚えていないシーンがあったりしますね。
阿久津:覚えてないというのは完全にゾーン,フローの状態ですね。こういった状態に入るには少しチャレンジングな課題をすることが一つのポイントと言われています。一流のアーティストさんとのコラボという上質な刺激が集中力を研ぎ澄ませてくれるのかなぁとお聞きしながら思いました。
普段の過ごし方について
阿久津:高い集中力を要する公演をたくさんこなす先輩ですが,普段はどのようなスケジュールで1週間を過ごされているのですか?和太鼓の練習時間など気になります。
TAKERU:ほぼ毎日夕方から教室があるのですが,その前に昼くらいから練習をするのが基本です。近年は忙しいので合間で練習したり短い時間1~2時間で集中して質を重視して練習してます。
ちなみに始めた頃は,毎日6時間位練習してました(笑)早く上手くなりたくて。
TAKERU:阿久津君に言われると全然ですが,実はほとんど打つ事のみによっての体なんです。ただ,ベースには柔道での基礎体力のおかげがありますが。でも使う筋肉が違うので,よりたくましくなっていますね。
TAKERU:ケガは20代~30代までが力任せに打っていた時期に,使い過ぎで首や肩を痛めたり腱鞘炎になったりありましたが,今は無駄な力も抜けてあまり怪我はなくなりました。10年前から月一度必ず整体に行ってメンテナンスしています。
限界のその先で見えた“和太鼓と生きる”覚悟

阿久津:TAKERU先輩は20年以上のキャリアをお持ちですが,これまでのキャリアの中でターニングポイントになったことや,最も苦しかった時期や,それをどう乗り越えたのかというようなことがあれば教えていただけないですか?
TAKERU:2008年!32歳の時!
10周年コンサートを開催したのですが,全身全霊をかけた2時間半。全ての演目に出て演出も全て考えて終わる頃には体重が3~4キロ位減り,全エネルギーを使い果たした結果…。翌日体は寒く,倦怠感。これは疲労がヤバいとスパに行ったのですがお風呂に入っても温まらず,マッサージを受けても全く効かず怠いまま帰宅してしばらく打ちたくないと思って眠りについたのですが,翌朝なぜか復活して
「またやりたい 」と思ってしまったんです。
その時に,自分は和太鼓を使命として生まれて来たんだと悟っての今日です 。
阿久津:すごい経験ですね!勝手な想像ですが,10年目の節目のコンサートという環境も普段以上に準備段階からそういったゾーンやフローの状態に没入する要因だったのかなぁと感じました。そして何より先輩は心底和太鼓のことが好きなんですね。本当に好きなことってどれだけしんどくてもまたやりたくなりますよね。
今後の目標や夢について教えてください。
TAKERU:今後は海外で積極的に演奏機会を増やす事が目標です。
20数年様々日本国内演奏して来たのですが,まだまだ世界は少ないので和太鼓の素晴らしさと魅力を沢山の国々に伝えて行きたいです。
阿久津:TAKERU先輩の世界での活躍を後輩としても心から楽しみにしております。本日はお忙しい中,インタビューへのご協力を本当に有難うございました。最後に,ファンの皆様へメッセージをお願いします。
TAKERU:私は自分を和太鼓奏者日本代表と思っています。今の和太鼓文化はまだまだ新しいので,TAKERUの和太鼓が100年後の未来に伝統になるよう精進して行きますので是非応援して頂けたら嬉しいです。
また生で魂の和太鼓を観に来て下さい。
