パワーリフティング 佐竹優典選手インタビュー

パワーリフティング 佐竹優典選手インタビュー

佐竹優典選手プロフィール

パワーリフティング59kg級&66kg級日本記録保持者(フルギア)
全日本選手権5回優勝

阿久津

佐竹選手、今日はインタビューにご協力してくださりありがとうございます。最初に自己紹介をお願いできますか?パワーリフティングを始めたきっかけとキャリアも教えていただけますか?また他のスポーツのキャリアもあれば是非教えてください。 *佐竹優典選手と阿久津は同じパワーリフティングチーム所属。

パワーリフティング男子66kg級の佐竹優典です。
小、中学生の頃は野球をやっていました。高校に進学した際に、パワーリフティング部があることを知って体験入部に行き、そこでパワーリフティング部の先輩方におだてられて入部を決めたのがきっかけです。笑
最初はカッコいい身体になりたくて始めたのですが、同級生のライバルと持ち上げる重さを競い合っていくうちに、どんどん重量を上げていくことにのめり込んでいきました。 高校一年生から競技を始めたので、キャリアとしては今年で10年目になります。

佐竹優典選手
阿久津

佐竹選手を見ているとパワーリフティングが大好きという想いがひしひしと伝わってきますが、パワーリフティングの魅力はどこにありますか?

努力した結果がはっきり形に現れるところです。どうしたら強くなれるかを考えてそれを実行し、その結果今まで持ち上げられなかった重さを持ち上げられた時は何にも代え難い快感があります。

佐竹優典選手
阿久津

快感、いいですね。パワーリフティングは結果が具体的な数字に表れるところが自己成長感や達成感を感じやすいですよね。ちなみに得意な種目、苦手な種目はありますか?

得意な種目はスクワットです。 ベンチプレスも最近は伸びてきてこの2種目は世界選手権でも種目別のメダルを狙える位置にいます。
反対に苦手というか、伸ばさないといけないのはデッドリフトです。世界のトップレベルの選手は皆デッドリフトが強く、ここの差を埋めていかないことには世界でトップにはなれないと考えています。

佐竹優典選手
阿久津

ベンチプレスが伸びてきたということですが、何か変えたのですか?もし可能であれば変えたことを教えてください。デッドリフトに関しては、世界トップレベルの選手との差を埋めるためにこれからどういう取り組みをしていく予定ですか?

ベンチプレスは世界トップの選手達のフォームを研究したり、チームメイトのアドバイスを参考にしながらフォームを改善していきました。具体的にはブリッジの組み方やバーの握り方を変えました。
デッドリフトに関しては闇雲に重量を扱ってしまってもフォームが崩れてしまう繊細な種目なので、そこそこの重量は持ちつつも並行してフォームを意識した練習も行っていきます。特別なことをするのではなく、基本的な練習を淡々と、しかしマンネリは防ぎながら続けていく必要があると考えています。

佐竹優典選手
阿久津

基本は本当に大事ですよね。パワーリフティングにおいてパフォーマンスを高めていくためにはどんな要素が重要になってくると考えていますか?

重量を上げることは勿論ですが、それと同じかそれ以上に重要なのがコンディショニング、休養、栄養面だと考えています。 以前から身体のケアや休養には力をいれていましたが、社会人になってからはより意識するようになりました。栄養面は今年からPPN様にサポート頂いていることもあり、常にベストな状態をキープすることができています。

佐竹優典選手
阿久津

宣伝ありがとう。笑
確かにもっと若い時からしっかり身体のケアしてましたね。パワーリフティングをしていて一番嬉しかった経験、逆に悔しかった経験があれば教えてください。それは佐竹選手にとってどのような経験でしたか?

一番嬉しかったのは、2016年に全日本選手権を初めて優勝した時です。 競技を始めた頃からの目標だったので、試合後は号泣していたのを覚えています。笑
悔しかったのは、2017年の世界ジュニアです。ライバルを意識して空回りしてしまい各種目とも第一試技しか取れず大幅に自己ベストを下回ってしまいました。ホテルの部屋に戻って1人悔しくて泣いたのを覚えています。笑

佐竹優典選手
阿久津

泣いたんですね。気持ちの切り替えは得意ですか?何か切り替えるために意識的にしていることなどありますか?

基本的に切り替えは早い方だと思います。終わったことは気にせずすぐに次のことを考えます。特別意識していることは無いと思います。性格でしょうか。笑

佐竹優典選手
阿久津

切り替えが早いことも選手として必要な要素かもしれませんね。普段はどのような1週間を過ごされているのですか?知りたい方も多いと思うので差し支え無ければ教えていただけますか?

週4回ほど練習しています。
一般企業に勤めているので、平日は仕事終わりに24時間ジムで軽めの練習を行い、休日はパワーリフティングジムで一日かけて3種目の練習を行います。平日の練習時間は1.5時間ほど、休日は7時間以上かけて行います。

佐竹優典選手
阿久津

7時間以上とはすごいですね!練習時間(特にウエイトトレーニング)が長いのは良くないというデータや意見もありますが、そこに関してどう考えていますか?またまた差し支えなければ具体的な練習内容も教えてもらえますか?

平日はスクワットとベンチプレス、補助種目を軽めで行います。軽くする代わりにスクワットはボトムで止めたり、ベンチプレスは手幅を変えたりバリエーションをつけて練習します。
休日は3種目とも試合形式で一発のセットを行った後に、重量を下げて複数セット行います。各種目とも5〜10セットほど行いますが、重量・レップ数・セット数はその日の調子によって変動させています。
練習時間は長いと良くないと一般的に言われていますが、一般論の中では飛び抜けた選手にはなれないと考えています。勿論オーバーワークや怪我には気をつけなくてはいけませんが、普段からこのような練習をしていると試合本番が非常に楽に感じることができます。

佐竹優典選手
阿久津

平均的なことをしていると平均的な選手にしかなれないですもんね。選手生活を送る上で特に大切にしていることはありますか?

怪我をしないことです。幸いここまで大きな怪我はしたことがないですが、怪我をしてしまうとその期間練習が出来なくなってしまうので気をつけています。

佐竹優典選手
阿久津

怪我をしないために具体的に気をつけていることしていることを教えてもらえますか?

身体に無理のないフォームで行うことと、身体のケアに気をつけています。 色々な角度からフォームをチェックして、極端な左右差が出ないように気をつけています。 ケアに関しては振動ローラーなど様々なケアグッズを駆使しています。また最近はコンディショニングを整えるエクササイズも取り入れるようにしています。

佐竹優典選手
阿久津

試合に向けてピーキングはしますか?もしするのであればどのような内容でどのくらいの期間するか教えていただけますか?

試合から逆算して、6週間ほどかけてピーキングを行います。今は毎週少しずつ重量を積んでいく形をとっています。減量しながら少しずつギア(試合の時に着用する専用のコスチューム)も調整していき、試合の2週前に第2試技予定、1週間前に第一試技予定くらいまで重さを持ちます。その後は少しずつ疲労を抜いて試合に臨んでいます。

佐竹優典選手
阿久津

疲労を抜く期間は強度や量は何%くらいカットしますか?ざっくり教えてもらえますか?またピーキング中に第3試技の重さまでやる選手と、佐竹選手みたいにやらない選手もいるけどその点についてどう考えてますか?

1週間ほどです。極端に重さを下げずに、普段軽めの日に行なっている重量でレップ数とセット数を気持ち減らす程度で十分疲労は抜けていきます。 自分も以前はMAX近くまで重さを持っていましたが、ピークアウトしてしまい本番に力を発揮できないことが多かったので抑えるようにしています。それでもピーキングに失敗して抑えたつもりの重量が試合でギリギリ挙がった、ということもよくあるのでピーキングの仕方は自分に合う方法を試行錯誤しています。

佐竹優典選手
阿久津

ピーキングに関してもまだまだ伸び代がたくさんありそうですね。ワールドゲームズ優勝が人生最大の目標ということですが、いつ頃からこの目標を掲げていたのですか?ワールドゲームズは来年ですが、今年の目標と、ワールドゲームズ以降の目標や夢などあれば教えてください。

最初はいつか出たいな、と思っていましたが競技を続けていくうちにいつの間にか出場して優勝したいと考えるようになりました。世界選手権で3位になった辺りだと思います。
今年の目標は11月の世界選手権でメダルを獲得し、ワールドゲームズの出場権を獲得することです。そこから更に記録を伸ばして来年7月のワールドゲームズでは優勝を目指します。
それ以降は、まだ見えていませんが一回勝って終わりではなく、世界で何回も勝てるような選手になりたいです。 そしてパワーリフティングがもっと有名になって、オリンピックスポーツになるまで現役でいたいです。 そのためにも、パワーリフティングを普及させていく活動にも貢献していきたいと思っています。

佐竹優典選手
阿久津

まだまだ若いのに普及活動への貢献を既に意識しているのは素晴らしいですね。最後にファンの皆さんへメッセージをお願いできますか?

いつも応援ありがとうございます。 世界選手権とワールドゲームズ優勝の目標に向けて頑張っていきますので今後とも応援宜しくお願い致します!

佐竹優典選手
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