クレアチンはパフォーマンス向上を目指すアスリートにとって欠かせないエルゴジェニックエイドの一つです。しかし、誤解や噂も多く、正しい知識が必要です。ここでは、クレアチンに関するよくある疑問を簡潔に解説します。
Q1. クレアチン摂取で肉離れを起こしやすくなる?
科学的根拠はなく、噂に過ぎません。むしろ、毎日3gの継続摂取と十分な水分補給があれば、筋肉疲労や損傷リスクの低減が期待できます。
噂の背景には、ローディング期の体重増加が筋肉への負荷を増やすと考えられたことや、パフォーマンス向上でトレーニング強度を上げた結果、筋肉損傷を招いた例があると推測されます。しかし、ローディングは不要で、適量摂取を続ければ問題ありません。 上記の噂とは反する研究結果として、クレアチン摂取によって肉離れを含めた損傷の発生率が低下するという論文は多く見られます。
Q2. 下痢などの副作用が心配?
ローディングによる大量摂取が原因になる場合があります。対策としては、1日3gを目安に継続摂取し、十分な水分とともに少量ずつ摂取することが重要です。
実際、1日3gを28日間摂取した場合でも、ローディングをした場合と体内のクレアチン貯蔵量は変わらないという研究結果があります。このため、ローディングを避け、適量を毎日摂取する方が副作用リスクを抑えつつ効果を得られます。
Q3. クレアチンと腎臓への影響は?
腎機能が正常な方には問題ありません。ただし、腎機能が低下している場合は、摂取前に医師に相談することをお勧めします。
この噂が広まった背景には、「クレアチン」とその代謝物である「クレアチニン」が混同されやすいことが挙げられます。クレアチニンは腎臓のろ過機能を評価する指標として使われますが、クレアチンサプリメントを摂取すると筋肉中のクレアチンリン酸の濃度が高まり、運動後に代謝されてクレアチニンが生成されるため、血中のクレアチニン値が一時的に増加します。この一時的な増加が「腎臓への負担」と誤解される原因となっています。
しかし、腎機能が正常であれば、クレアチニンは適切にろ過され、尿として排出されます。腎機能に問題がない限り、クレアチン摂取が直接腎臓に悪影響を及ぼすことはありません。
Q4. クレアピュアとクレアルカリンの違いは?
クレアピュアは長年の実績があり、安全性が高いモノハイドレート型。クレアルカリンは吸収性を高めた新技術ですが、クレアチンモノハイドレートより優位性があることはないということで結論づけられています。
Q5. 日本での使用状況は?
海外では、アトランタオリンピックで約80%のアスリートがクレアチンを使用していました。一方、日本では2013~2018年に国際大会へ出場した陸上代表選手574名中、使用率は9.2%(53名)と低水準です。
特に使用率が高いのは投擲競技の26.2%、次いで短距離の21.6%。クレアチンは筋力や爆発的パワーが求められる競技で特に活用されています。まだ普及率は低いものの、パフォーマンス向上の選択肢として注目に値します。
クレアチンの理想的な摂取法
ローディングは不要です。毎日3gの継続摂取をおすすめします。また、HMBやβ-アラニンとの組み合わせがさらなる効果を期待させます。
当社では、クレアチン+HMB+β-アラニンを配合した「099’CREATINE THE ONE.2.1」をご用意しています。一瞬の爆発力や持続的なパフォーマンス向上を目指す方に最適です。
参考文献
・Physiological responses to short-term exercise in the heat after creatine loading
・Creatine supplementation during college football training does not increase the incidence of cramping or injury
・Cramping and Injury Incidence in Collegiate Football Players Are Reduced by Creatine Supplementation
・Common questions and misconceptions about creatine supplementation: what does the scientific evidence really show?
・A.R. Jagim et al.:A buffered form of creatine does not promote greater changes in muscle creatine content, body composition, or training adaptations than creatine monohydrate. J Int Soc Sports Nutr. 2012.
・R.B. Kreider et al.:Bioavailability, Efficacy, Safety, and Regulatory Status of Creatine and Related Compounds: A Critical Review. Nutrients. 2022.
・A buffered form of creatine does not promote greater changes in muscle creatine content, body composition, or training adaptations than creatine monohydrate.
・Use of nutritional supplements by elite Japanese track and field athletes.
・Use of nutritional supplements by elite Japanese track and field athletes.