鍛えぬかれたオリンピック選手にとって、食事は重要なワークです。たとえば、食事の摂り方、成分と効果、身体への影響など。オリンピック選手ならではのこだわりが、食事にはあります。
オリンピック選手が食事にこだわる理由
オリンピック選手はなぜ、食事にこだわるのでしょうか?それは、アスリートとしての彼らを支えているのが食事だからです。「身体を作る」「身体を動かす」「コンディションを整える」。これらの源になるのが食事です。
- なぜ食べるのか?
- 何を食べるのか?
- いつ食べるのか?
オリンピック選手たちは、トレーニングと同じように、明確な目的と高い意識を持って食事と向き合っています。
オリンピックで見られた代表選手団の食事支援
大きな大会、例えばサッカーの代表選手団に専属のシェフが帯同するのは有名な話です。
オリンピックでは、選手村とは別に自国の食事を摂取できる施設を建設し、管理栄養士や調理師を派遣し普段から食べている物を選手に提供できるようにしている国も存在します。もちろん、それだけに数億円以上の資金が投入されています。
これらのエピソードからも、オリンピック選手と食事の強い結び付きがうかがえます。
オリンピック選手が食事で摂取するエネルギーは何kcal?
オリンピック選手は、1日の食事でどれだけのエネルギーを摂取しているのでしょうか?
正解は「最低でも3,000kcal以上」。動きの激しい競技では4,000~5,000kcal以上の摂取は当たり前です。平均的な体格の20代男性が約2,500kcalなので、摂取量は相当多くなります。
極端な例として有名なのが、五輪史上最多の金メダルを獲得している、競泳のマイケル・フェルプス選手。彼はなんと、全盛期には12,000kcalも摂取していました。正に一番強い選手は一番練習していると言える典型的な例でしょう。
持久系の競技ほど多くのエネルギーが必要
摂取エネルギーの目安は性別と年齢によっても変わりますが、競技の違いも大きく影響してきます。
マイケル・フェルプス選手の例をあげましたが、クロールを1時間続けたときに消費するカロリーは約1,200kcal(もちろん個人差やどのくらいの強度で1時間クロールをするかで大きく変動します)。トライアスロンやマラソンなどの競技も消費カロリーが大きいので、それだけ多くのエネルギーが必要になります。
逆に、エネルギーを過剰に摂取できないのが体重制限のある競技。これらのオリンピック選手は、体重を気にしながら、食事をしないといけません。
では、一般的にジムに通われている方がよくやる炭水化物を極端に制限したダイエットをするかというとそうではありません。炭水化物も摂取しながら体重コントロールをします。なぜなら、炭水化物を摂取しないと十分な練習量やトレーニングをこなしたり、早期の疲労回復を達成できないからです。
オリンピック選手の食事の内容は?
オリンピック選手の基本の食事は、朝昼晩の1日3回。朝食はトレーニングの前に摂る選手がほとんどです。なかには、軽食やサプリメントを摂取して朝のトレーニングをしてから、しっかり朝食を摂る選手ももちろんいます。では、メニューはどうなっているのでしょうか?
五大栄養素をバランスよく摂取
「五大栄養素」と言われるたんぱく質と炭水化物(糖質)、脂質、ビタミン、ミネラル。これらがバランスよく摂れるよう、食事のメニューには気が配られています。
- 主食…ご飯やパン、麺類など。炭水化物が多く、エネルギー源になる。
- 主菜…肉や魚など。たんぱく質が多く、身体作りの材料になる。
- 副菜と汁物…サラダやみそ汁など。ビタミンとミネラルが身体の調子を整える。
- 牛乳や乳製品…カルシウムやミネラルは骨の材料になる。
メニューの内容は、選手の競技や試合の時期によって変わってきます。また、ベジタリアンなら肉や魚は使わないなど、選手の嗜好も反映されます。
食べ合わせも大切
栄養素の効果を高めたり、吸収の手助けをしてくれる食べ合わせ。オリンピック選手は、この食べ合わせにもこだわっています。
たとえば、豚肉。豚肉は、疲労回復に役立つ「ビタミンB1」を含んでいます。このビタミンB1と組み合わせると良いとされるのが、「アリシン」という栄養素。アリシンは玉ねぎやにんにくに含まれているので、これらを豚肉に加えて料理すれば、さらなる効果が得られます。
オリンピック選手が特にこだわる「補食」
じつは、オリンピック選手の食事は1日3回ではありません。「食事と食事の間」「トレーニング中、またはその前後」「就寝前」にも食事をします。これを「補食」と呼びます。では、オリンピック選手はなぜ、補食をするのでしょうか?
たんぱく質の摂取回数を増やす
たんぱく質の摂取回数が多くなるということは筋肉に届くたんぱく質の運搬頻度が多くなるということです。筋肉を酷使するアスリートは筋肉の疲労、筋肉の損傷も人一倍多いため、少しでも早く筋肉を回復させる必要があるため補食が必要となります。
また、摂取カロリーが多い競技の選手ほど、1回で摂取する食事量が多くなりすぎて食べれないために補食が必要になってきます。
ゴールデンタイムで運動効果を高める
トレーニングが終わってからの30分は、「ゴールデンタイム」と呼ばれます。トレーニング中だけでなくこのタイミングでさらにたんぱく質と炭水化物を吸収すれば、トレーニングの効果が高まり疲労回復が早まります。
トレーニング直後の補食については、NHKの番組でも取り上げられました。「何を」「いつ」「どのくらい」摂取するか?ということは、パフォーマンスを高めていくために最も重要なことです。
せっかくのいい栄養素であっても、タイミングがずれると狙った効果を出せなかったり、むしろ逆効果になることさえあります。ゴールデンタイム以外にも多くの重要なタイミングが存在します。
オリンピック選手の補食を支えるサプリメント
オリンピック選手の食事に欠かせないのがサプリメントやプロテイン。足りない栄養素を補うだけではありません。その手軽さと吸収の速さは補食で大いに役立っています。
補食にお勧めしたいのが「ペプトフォース」。水に溶けやすく、苦みもない、それでいて抜群に吸収が速く(BCAAやホエイプロテインよりも吸収が早い)、そして利用効率も高いため疲労を残さない、優れもののプロテインです。
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