海外のプロテインは危険なのか。国産プロテインは安全なのか。

海外のプロテインは危険なのか。国産プロテインは安全なのか。

ひと昔前までは、プロテインといえばアスリートや一部の熱心なスポーツ愛好家が主に摂取していたものでした。しかし、近年では習慣的に運動や筋トレをする人が増えており、それに伴ってプロテインも多くの人にとって身近になってきています。

プロテインの国内市場は10年前の3倍に伸長していると言われるほどで、プロテインを摂取する目的も、従来の筋力増加だけでなく美容・ダイエットなど、幅が広がってきています。

また、目的に応じて商品も細分化され、様々なタイプが販売されているのを目にするようになりました。 そして、国産プロテインが多様化するとともに、海外製のプロテインも以前より簡単に手に入れられるようになってきています。

国産と海外製の違いを見比べたうえで、海外製を愛用している人も増えてきているように感じます。 しかしながら、その安全性については未だ活発に議論されていないようです。

そこで今回は、「海外のプロテインは危険なのか。国産プロテインは安全なのか。」というテーマで、主にアスリートが使用する場合の観点から解説してみようと思います。

阿久津貴史

著者紹介

パワーリフティング全日本選手権12連覇・現日本記録保持
NSCA-CSCS・NSCA-CPT/認定スポーツメンタルコーチ

阿久津貴史公式HP

1982年生まれ。パワーリフティングの競技者として活動するとともに、パワーリフティング専門ジム「TXP」を運営。後進育成・コーチングも精力的に行っており、全日本優勝者を多数輩出。アスリートのパフォーマンス向上を目的とした、理想的なエルゴジェニックエイドの開発にも日々尽力している。

国内産と海外産のプロテインを比べると

プロテインを選択する際、「国産の方が安心」という方も多いかと思いますが、もちろん海外プロテインにも多くの優れた点があります。 比較する国産商品にもよりますが、コスト面、たんぱく質含有量、味の多様さなどは、海外産に軍配が上がる場合も多いです。

インターネットを検索しても海外産プロテインについて解説するページが多く見られ、様々なサイトで海外製プロテインの長所が紹介されています。

スペックだけでは分からない部分もある

ただし、気を付けなければならないのは、品質と安全性について、メーカーが公表している情報やラベル表示だけでは判断できないという点です。

例えば米国の場合、FDA(アメリカ食品医薬品局)が食品に関する取り締まりを行っています。FDAは食品や添加物に関する指針を規定していますが、実はこの指針にメーカーが従う義務はありません。

そのため、ラベルに記載されていない成分が含まれている可能性があり、例えば、2022年の始め、クリーンラベルプロジェクトと呼ばれる非営利団体は、プロテインパウダー中の毒素に関する報告書を発表しました。

ここでは、プロテイン製品134商品に対し、130種類の毒素についてスクリーニングしたところ、多くのプロテインパウダーに重金属(鉛、ヒ素、カドミウム、水銀)、ビスフェノールA(プラスチックの製造に使用されるBPA)、殺虫剤、またはその他の関連汚染物質が含まれていることが判明したと報告されています。

これらのうち、いくつかの汚染物質はかなり多い量で検出されており、あるプロテインパウダーには許容限度の25倍のBPAが含まれていたとされています。

「海外プロテインのほうが検査が厳格だから安心だ」という情報を発信しているサイトも散見されますが、それを鵜呑みにして海外プロテインを選んでいるなら、あらためて商品の品質・安全性について調べてみることをお勧めします。

アスリートが知っておかなければならない点

さらに、アスリートであれば、プロテインを始めとしたスポーツサプリメントの選択において、ドーピングリスクは最重要視すべきです。

多くのプロテイン商品は、禁止物質を含有している商品はほぼ見られません。しかし、これがドーピング陽性の原因となる場合、そのサプリメントが汚染されていたり、不正確な表示がなされていたりする場合が考えられます。

汚染というのは表示成分以外のドーピング禁止物質が混入していることを指します。製品ラベルを事前にチェックして禁止物質が含まれていないことを確認していたとしても、汚染によってドーピング陽性となる事例は過去にも多く見られます。

意図的であるかないか、自らに過失があるかないかに関わらず、選手の体内や代謝物から禁止物質が検出された場合、アンチ・ドーピング規則違反になります。

プロテイン製品においても、実際に過去にアスリートが正当な理由で摂取していたものから禁止物質が検出され、陽性反応が出た事例は報告されています。

まず、競泳女子4×100メートル自由形リレーの世界記録を持つオーストラリアの水泳選手、シェイナ・ジャックのドーピング陽性事例では、2019年の抜き打ちドーピング検査によって筋肉増量に効果がある禁止物質リガンドロールが検出されました。

この事例では、プロテインシェイクを通じて誤って禁止物質を摂取した可能性があるとされていますが、これによって同選手は検査失格となり世界水泳(韓国・光州)欠場という措置を受けています。

また、AFL選手アフメド・サードの事例では、プロテインパウダーを摂取した後に禁止物質の陽性反応が出たため、18か月の出場停止処分を受けました。

検出されたのは、メチルシネフリンとして知られる植物由来の物質であり、WADAの禁止事項リストに掲載されている興奮剤です。 同選手はこの製品を定期的に使用しており、それが禁止されていることを知らなかったと断言し、不正行為をしようとしていたわけではないと強く主張しています。

これらの事例のように、アスリート自身が知らないうちに禁止物質を摂取してしまい、検査の結果陽性となって措置の対象となってしまうケースは決して少なくありません。

ドーピング陽性のリスクを避けるには

アスリートは、サプリメントを選択するにあたって以下3点の可能性があることを知っておく必要があります。

①製品ラベルに記載されていなくても、製造過程で汚染が起こっている

製造過程で、同じ工場内で製造されている他の製品に含まれる禁止物質が混入することがあります。禁止物質を含むものを知らずに摂取し、結果的にドーピング違反になってしまうことを「うっかりドーピング」といいますが、汚染が原因のうっかりドーピングはこれまでも多く発生しています。

②不正確な表示

一部の製品は、表示されていない成分が含まれていることがあります。これは消費者にとって誤解を招くことがあり、アスリートが無意識のうちに禁止物質を摂取するリスクが高まります。他にも、後で述べるように、アンチドーピング認証を受けていない商品にもかかわらず「アンチドーピング」と表示するのは、不正確な表示です。

③意図的な添加

競技者のパフォーマンスを向上させるために、禁止物質が故意にサプリメントに追加されることがあります。ロシアが国ぐるみで自国選手にドーピングをさせ、違反が発覚しないように隠ぺいしていたのはよく知られるところです。

アスリートは上記の可能性があることを知っておき、 ”うっかりドーピング” が起きないよう細心の注意を払う必要があるのです。

なお、米国アンチ・ドーピング機構(US Anti-Doping Agency:USADA)のサイトには、ドーピング判定のリスクが高いサプリメントの一覧が掲載されています。 これらの一覧は随時更新されますが、直近でプロテイン商品を検索した際にも、製造ロットの抜取りチェックからオスタリンといった禁止物質が検出された海外プロテインが散見されます。 

国内製なら安心なのか?

国内製かつ「正しく」アンチドーピング認証を受けている商品であれば、上記のリスクは極力低く抑えることができます。

「正しく」という点が特に重要で、当社PPNは長年アンチドーピング活動に携わる中で、アスリート向けサプリメントに求められるのは以下の3点を満たしている必要があるという結論に達しています。


1:禁止物質が混入されていないか、材料段階ではなく最終製品に対して検査が実施されていること。
2:上記1の検査は、全ての製造ロットに対して実施されていること。
3:検査の結果が出るまで販売しないこと。

ただし、悲しいことですが、アンチドーピング認証を受けていないにも関わらず、パッケージに「アンチドーピング」と記載していたり、上記を満たしていなくても「アスリートでも安心」と謳っている商品もあります。

まとめ

以前よりも身近になってきた海外製プロテインですが、アスリートが摂取する場合、表示ラベルやメーカーが公表している情報だけでは安全性を判断できないことを説明いたしました。

世界中で多くのアスリートがサプリメントに混入していたドーピング禁止物質によって陽性者となり、輝かしいキャリアに大きな傷のつく事故が発生しています。故意でなかったと信じてくれる家族、チームメイト、スポンサー、友人、今まで関わってきた全ての人が悔しい思いをします。

自分が今、これから摂取するサプリメントが安全なのか?安全でないのか?それを判断するには、「正しく」アンチドーピング認証を受けている商品を選択する必要があるのです。


PPNのサプリメント管理体制について
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サプリメント摂取によるアンチドーピング規則違反からアスリートを守る唯一の方法、それは、全製品の、全ロットを、市場に流通させる前に検査を実施することです。

市場に流通させながら全ロット検査を実施しているメーカーはいくつかありますが、アスリートのドーピング陽性リスクを極力排除するためには、全ロット検査でも十分ではないと考えています。

そのため、PPNでは全製品・全ロットに対して、市場に流通させる前に検査を実施するだけでなく、「結果を確認するまで出荷しない」という管理体制を取っています。

この体制を取っているメーカーは世界で唯一弊社しかありません。アスリートにとって栄養摂取は投資であり、ドーピング検査の徹底は保険です。PPNでは「体感」と「安全性」を実現できる製品開発に尽力しています。

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講師は2011年〜2023年の間、全日本選手権パワーリフティング105kg級(フルギアカテゴリー)で12連覇を達成したPPN代表 阿久津貴史(2004年〜NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト)です。

これまで幾度となく試練を乗り越えて来たからこそお伝えできる内容も配信しておりますので、ぜひこのメルマガを通して私の経験を活かして学んでいただければ幸いです。

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