アンチドーピング認証商品が必要な理由|安心して競技に参加するために

栄養補給や効率的なトレーニングを行うために、アスリートならサプリメントを利用したことが一度はあるのではないでしょうか。サプリメントは、食事だけでは摂取できない栄養素や、アスリートが不足しがちな栄養素などを手軽に補えるためとても便利です。

しかし、一方でサプリメントであるために、予期せぬドーピング違反を犯してしまう可能性があることもアスリートならご存知でしょう。トレーニングを効果的に行い、最大のパフォーマンスを発揮するためには、アンチドーピング認証を受けた商品を活用するのがおすすめです。

本記事では、ドーピングの厳しい処分の現実と、安心してトレーニングに取り組むためにおすすめの商品について詳しく紹介します。

阿久津貴史

著者紹介

株式会社ピークパフォーマンスニュートリション(PPN)
代表取締役 阿久津貴史 (公式HP

元パワーリフティング選手(2023年11月の世界選手権を最後に引退)
2010年〜2023年105kg級日本代表(2021〜2023年団長)
2012〜2023年全日本選手権12連覇
パワーリフティングジム TXP代表
NSCA-CPT(2001年取得)
NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト(2004年取得)
公認スポーツメンタルコーチ

 
*現在プライベートでは東京都立大学大学院 人間健康科学研究科において知覚運動制御研究の第一人者の樋口貴広教授の元で研究生活をスタート中。

アンチドーピング規則があっても違反者が出てしまう理由

アンチドーピングは、アスリート達が公平に競技を行えるよう、ドーピングに対する知識を深め、ドーピング違反を防ぐ取り組みや検査を行っています。ドーピングに対する規則がないと、ドーピングを利用して実力以上の力を意図的に作り出した選手と、正当にトレーニングを積み重ねてきた選手たちが公平性のない場で一緒に競わなければいけません。

この活動は、単に違反者を排除するのではなく、選手がドーピングのリスクを理解し、競技やスポーツ全体を守るための行動を促すものでもあり、ドーピングに関する教育の推進や予防にも力を入れています。また、すべての選手が公正な場で戦えるよう、アンチドーピングはスポーツだけではなく、社会全体においてもフェアネス(公正さ)の認識を高める働きかけも行っています。

しかし、アンチドーピングについて十分に理解している選手であっても、ドーピング違反で検挙されてしまうアスリートはゼロにはなりません。それは、日頃からトレーニングの効果をサポートするために使用しているサプリメントに問題があるケースがあるためです。

サプリメントの利便性と危険性

多くのアスリートの方は、日常的にサプリメントを使用していると思います。サプリメントは、食品から十分な量を摂取しづらい栄養素の補給やトレーニングの効果を最大限に発揮するために欠かせないものといえるからです。

ベストなコンディションを保ちながら、最高のパフォーマンスを発揮するためには、トレーニングと食事管理だけでは難しい面もあります。しかし、サプリメントは”医薬品”ではなく、”食品”の扱いのため、ドーピングの危険性があるのです。医薬品の場合は、成分表に原材料として使用するすべての成分を記載しなければいけません。

食品であるサプリメントは、成分表にすべてを表示する必要がないため、記載されていない成分が含まれている可能性があります。その中には、禁止物質が含まれていることもあり、気づかずに摂取した選手がドーピング違反となってしまうケースがあるのです。

「知らなかった」では済まされないドーピング違反

ドーピング違反になると、厳しい処罰が与えられます。たとえ、服用していたサプリメントに、禁止物質が含まれているのを知らなかったとしても、世界ドーピング防止機構(WADA)のアンチ・ドーピング規定により、「選手は自らが摂取する物に責任を負う」とされているため、ドーピングはすべて自己責任になります。

ドーピング違反が判明した場合、試合の直前であっても再分析を求めるか国際水泳連盟(FINA)の聴聞に応じなければいけません。禁止物質を意図的に摂取していないと立証できなければ4年間の資格停止、また、立証できた場合でも2年以下の資格停止となっています。

4年というのはアスリートにとっては、選手生命を維持するためには長すぎる期間です。一度ドーピング違反に引っかかってしまうと、試合に再出場できるまで2〜4年かかり、その間に十分な練習ができずに実力が落ちてしまう、または選手としてのピークを過ぎてしまう可能性も大いにあります。

日本におけるドーピング違反の事例

過去には、日本でもドーピング違反によって出場を停止されたアスリートがいます。

サプリメントに禁止物質が含まれているのを知らずに摂取した場合や、トレーナーや配偶者など信頼できる人が飲食物に手を加えたような場合でも、ドーピング検査で禁止物質が出てしまうと選手本人の責任とされてしまい厳しい処罰が与えられます。

いくつか事例を紹介しましょう。

元五輪水泳代表選手、サプリメントでドーピング違反

2009年、オリンピックで金メダルに輝いた某水泳選手は、ドーピング違反による資格停止処分を受けました。資格停止の期間は4年。禁止物質の摂取が「意図的ではなかった」と立証できれば期間は2年以下に短縮されますが、現役のアスリートにとって4年活動ができないことは、選手生命を絶たれたも同然です。

その選手は、いつもと同じように抜き打ちのドーピング検査を受けたところ、「禁止物質が検出された」と違反通知を受けてパニックになったそうです。

一旦水泳を諦め、意図的に摂取したものではなかったと証明することにしたものの、国際水泳連盟(FINA)に「当時摂取していたサプリメントのラベル表記には記載のない禁止物質が使用されていた」と説明しましたが認められませんでした。

そのため、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に不服を申し立てて、改めて主張を行い検査から1年以上経って、認められて資格停止処分は2年に短縮されました。(1)

五輪スピードスケート代表選手、ドーピング陽性により欠場

2018年の冬季オリンピックで、日本のスピードスケートの代表選手が、ドーピング検査で陽性となりました。検査では、禁止薬物が検出されたのではなく、禁止薬物の検出を避けるマスキング剤とされる利尿薬アセタゾラミドに反応したのです。

某スピードスケート選手は、五輪の競技にまだ出場していませんでしたが、そのまま選手村を退出。詳しい調査が終了するまでは、五輪などの競技での資格停止処分を受けました。(2)

世界陸上代表選手、ドーピング違反で2年間資格停止

2019年のドーハ世界選手権代表の某選手は、2022年5月、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)によるドーピング検査を受けたところ、禁止物質が検出され、2年間の資格停止処分を受けました。

某選手は禁止物質を摂取した認識はなかったと説明し、当時自身が摂取していたすべてのサプリメントなどを専門機関で分析したものの、禁止物質は検出されませんでした。

検出された禁止薬物には筋肉増強効果があることから、アメリカなど外国では肉牛の肥育用に使用されていて、海外のレストランで提供された食肉を食べたことによってドーピング検査陽性が出た海外事案があります。

某選手も検査の直前に海外産の牛レバーを自宅近辺のスーパーで購入し、調理して食べていた事実があり、その可能性を探りましたが明確な立証には至りませんでした。

結局は、検査前の過去7度の検査がいずれも陰性であり、そのうち直近の2件は本件の半年以内に行われたことや、検出された禁止物質が某選手の種目の特性上、必ずしも適合した物質とは考えにくいことなどから、総合的に判断されて4年間から2年間の資格停止処分に短縮されました。(3)

アスリートがサプリメントを摂取するうえで重要なアンチドーピング認証

アスリートにとって、サプリメントは足りない栄養素を補給したり、トレーニングをより効果的にしたりするために欠かせないものです。しかし、同時に、どのようなサプリメントを選ぶのかを誤ると、選手生命に大きな影響を与えるような厳重な処罰を受けることにもなります。

たとえば、専門家にサプリメントのブランドを選んでもらい、摂取する量やタイミングなどをアドバイスしてもらったとしても、それは安全性の保証や免責の理由にはなりません。もし、ドーピング違反となれば、すべてが自己責任となります。

サプリメントを摂取する場合は、アンチドーピング認証マークのついた商品や過去に禁止物質が出ていないサプリメントを選ぶ必要があります。また、パッケージにアンチドーピングと書いてあっても認証マークが付いていないものは検査してない可能性が高いため注意が必要です。

アンチドーピング認証とは、サプリメントやそのほかの製品が、世界ドーピング防止機構(WADA)の禁止物質リストに表示されている物質について検査を受けたものであることを証明するものです。

アンチドーピング認証は、アスリートがより安全に、サプリメントを使用するための1つの基準になります。アンチドーピング認証には、いくつか種類があるので見ていきましょう。

INFORMED CHOICE(インフォームドチョイス)

INFORMED CHOICE(インフォームドチョイス)とは、イギリスのLGC社が認証するとても透明性が高く国際的に名高いアンチ・ドーピングプログラムです。

インフォームドチョイスは、サプリメントや食品を製造する施設に対して、世界ドーピング防止機構(WADA:World Anti-Doping Agency)の禁止物質リストにある物質についてテストし、製品や原材料、製造施設が厳密なガイドラインを満たし、製品が安全であることを示すための認証制度です。

インフォームドチョイスの認証を受けた製品には「認証マーク」が付与されます。世界で225か国以上のサプリメントブランドがインフォームドチョイスを取得しているだけではなく、製品やサプリメントは、定期的に再テストされるため、品質の維持も確認できます。

Informed Sport(インフォームドスポーツ)

Informed Sport(インフォームドスポーツ)は、トップアスリートの安全を守ることを目的としたアンチドーピング認証プログラムで、LGC社が運営するものです。

ISO17025認証を受けた施設で、厳格な世界基準に基づいて工場の監査や製品分析を行います。さらに、製造ロットごとにサンプルを検査し、禁止物質や違法な成分が検出された場合は、製品はインフォームドスポーツ認証を受けられません。

インフォームドスポーツは、製品ごとにすべての製造単位で検査を行うので、安全性をその場で証明できる点が大きな特徴です。認証を取得すると、インフォームドチョイスと同様に商品に認証マークが付与されます。もちろん、認証取得後も年に数回、無作為にサンプルを取って定期的に検査を行います。

BSCG(Banned Substances Control Group)

BSCG(Banned Substances Control Group)は、2004年にドン・カトリン博士とオリバー・カトリン氏が設立した禁止薬物検査機関です。WADA(世界アンチ・ドーピング機構)の禁止リストの274種類の薬物について検査します。

BSCGでは、処方薬、市販薬、スポーツ競技で禁止されていない不法薬物を含む211種類の物質が検査対象で、ISO17025認定研究所で薬物検査のほかGMP(適正製造規範)、原料やサプライヤーに対する審査、一般毒物アセスメントも行います。

また、定期的なバッチテストや抜き打ち検査も行うなど、ドーピングからアスリートを守る機関です。

DOPING MATERIAL CHECKED(ドーピングマテリアルチェック)

ドーピングマテリアルチェックは、ドーピング禁止物質を含まない商品に付与される認証マークです。

WADA(世界アンチ・ドーピング機構)のドーピング禁止リストをベースにして、専門家がサプリメントやプロテインに混入しやすい禁止物質を選定、国内の検査機関において分析を行います。

アスリートにおすすめ|認証済みのサプリメント

アスリートが安心して摂取できる認証を受けているサプリメントを紹介します。製品パッケージにアンチドーピングと記載していても全く検査をしてないメーカーもあるので、第三者機関のマークがあるか必ず確認しましょう。

00X’AAA+ALPHA

00X’AAA+ALPHAは、限界までの運動持続時間をさらに延長してトレーニングを積みたい方におすすめのサプリメントです。中〜長時間の激しい練習や補強トレーニングを行う際の専用のエルゴジェニックエイドサプリメントです。

限界を超えたトレーニングをサポート、さらにリカバリーにも役立ちます。

730'CASEIN PROTEIN【1kg】リッチキャラメルフレーバー

730'CASEIN PROTEINは、タンパク質含有量が90%以上の規格のハイグレード原料を使用したプロテインです。最大限、筋力とパワーを上げたいアスリートにおすすめです。製品20gには、1日に必要なビタミン・ミネラル1食分相当量も配合されています。

また、カゼインプロテインの体内利用効率を高める有胞子乳酸菌、Ganeden BC30を67mg配合、従来品よりさらに吸収効率、美味しさ、体への優しさを向上させました。

禁止薬物違反は致命的|安心できるアンチドーピング認証商品を選ぼう

ドーピング検査は、抜き打ちで行われます。今まで陰性であっても、サプリメントを変えたり増やしたりしたことで、ドーピング違反になるリスクはすべてのアスリートにあるといってよいでしょう。

ドーピング違反が検出されると、どんな場合でも選手の自己責任とされ、長期間の出場停止や資格停止期間が設けられ、取り返しのつかない大きなダメージを受けます。サプリメントを使用する際は、長い目で考えてトレーナーや医者に確認をしたり講習を受けたりして慎重に選ぶべきでしょう。アンチドーピング認証を受けた商品は、比較的安心です。

ただし、パッケージにアンチドーピングと書いてあっても認証マークがないのは検査してない可能性大なので注意が必要です。第三者機関のマークがあるか確認して製品を選んでください。


PPNのサプリメント管理体制について
certification

サプリメント摂取によるアンチドーピング規則違反からアスリートを守る唯一の方法、それは、全製品の、全ロットを、市場に流通させる前に検査を実施することです。

市場に流通させながら全ロット検査を実施しているメーカーはいくつかありますが、アスリートのドーピング陽性リスクを極力排除するためには、全ロット検査でも十分ではないと考えています。

そのため、PPNでは全製品・全ロットに対して、市場に流通させる前に検査を実施するだけでなく、「結果を確認するまで出荷しない」という管理体制を取っています。

この体制を取っているメーカーは世界で唯一弊社しかありません。アスリートにとって栄養摂取は投資であり、ドーピング検査の徹底は保険です。PPNでは「体感」と「安全性」を実現できる製品開発に尽力しています。

詳しくはこちら>>

トレーニングを構成する各要素を無料メルマガで徹底解説

Training Image

トレーニング方法がいまいちよく分からずに悩んでいる方に向けて、一から基礎を学べる約60回の無料メルマガ講座です。

講師は2011年〜2023年の間、全日本選手権パワーリフティング105kg級(フルギアカテゴリー)で12連覇を達成したPPN代表 阿久津貴史(2004年〜NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト)です。現在は東京都立大学 大学院 人間健康科学研究科 知覚運動制御研究室に所属して、パワーリフティング種目の運動制御に関する研究をしています。

メッセージ: 「これまで幾度となく試練を乗り越えて来たからこそお伝えできる内容も配信しております。全部で60回以上配信されますので、何かしら活かせることがあるかと思います。現在は無料で配信しておりますので、ぜひこの機会をご活用ください。」

▼無料購読をご希望の方は、以下からアドレスを登録ください。

この投稿をシェアする