Cognatiq™(コグナティック)について徹底解説

仕事が立て込むと、コーヒーを一杯、また一杯と飲んでしまう。夕方になるとカフェインが切れて頭がぼんやりする。眠れなくなって翌日もだるい──。

こんなサイクルに心当たりはないでしょうか。

集中力や記憶力を維持したいという思いから、多くのビジネスパーソンがカフェインに頼り続けています。しかし近年、カフェインとはまったく異なる仕組みで脳をサポートすることが、複数の臨床試験で確認されている素材が登場しています。

それがCognatiq™(コグナティック)。コーヒーの実をまるごと使った成分ですが、「コーヒーのカフェイン」とは根本的に仕組みが違います。カフェインフリーでありながら、ワーキングメモリの正確性向上・反応速度の改善が、独立した複数の試験で示されています。本記事では、この素材について科学的根拠とともに解説します。

著者プロフィール
著者紹介:阿久津貴史公式HP
株式会社ピークパフォーマンスニュートリション(PPN)代表取締役
パワーリフティングジム TXP代表(公式HP
NPO法人東京都パワーリフティング協会 副理事長(公式HP

健康科学修士 / NSCA-CPT(2001年〜)/ NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト(2004年〜)/ 公認スポーツメンタルコーチ(2020年〜)

2012〜2023年パワーリフティング全日本選手権12連覇。2023年11月の世界選手権を最後に引退。現在はプライベートで東京都立大学大学院人間健康科学研究科「知覚運動制御研究室」にて、樋口貴広教授の元で研究生活を送っている。

Cognatiq™とは:「コーヒーの実まるごと」から生まれた成分

私たちが日常的に飲むコーヒーは、コーヒーの木になる赤い実(コーヒーチェリー)の種子を焙煎したものです。果肉や果皮は通常、加工の過程で捨てられています。

Cognatiq™は、この「果実全体」を使って作られた専売素材です。アメリカのVDF FutureCeuticals社が製造しており、2024年以前はNeuroFactor™という名称で研究・流通していました。名称は変わりましたが、素材の中身は同じです。

Cognatiq™の基本データ

原料: Coffea arabica(アラビカ種)の果実全体(果肉・果皮・種子)
カフェイン含量: 100mgあたり約0.7mg(エスプレッソ1杯の約1/80)
主要成分: クロロゲン酸類を中心とするポリフェノール(総量47.8%)
安全性: FDA(米国食品医薬品局)のGRAS認定済み

注目すべきはそのカフェイン含量の低さです。100mg摂取してもカフェインはわずか約0.7mg。にもかかわらず、後述する試験ではカフェイン単独では得られない認知機能への影響が確認されています。これはコーヒーチェリーに含まれる独自のポリフェノールプロファイル(例:プロシアニジンなど)が関係していると考えられています(Reyes-Izquierdo et al., 2013)。

カフェインとは根本的に仕組みが違う

カフェインの主な作用は「アデノシン受容体のブロック」です。アデノシンとは眠気を促す物質で、これをブロックすることで覚醒感をもたらします。即効性がある反面、効果が切れると反動で眠気が増し、継続的に摂取していると同じ量では効きにくくなるという側面があります。

Cognatiq™が注目されているのは、このカフェイン経路とはまったく別の仕組みです。

脳の「成長因子」BDNFへのアプローチ

BDNF(脳由来神経栄養因子)は、脳内で産生されるタンパク質です。神経細胞の維持・成長を促し、記憶や学習の基盤となる「脳の可塑性」(経験や刺激に応じて神経回路の構造や機能が変化する力)を支える役割を担っています。「脳の肥料」とも呼ばれ、加齢とともに低下する傾向があることが知られています。

運動がBDNFを増加させることはよく知られており、それが「筋トレ・有酸素運動は脳にも良い」と言われる科学的根拠のひとつです(詳しくはこちらの記事もご覧ください)。Cognatiq™の研究では、この運動と同じ「BDNF経路」へのアプローチが確認されています。

臨床試験が示していること

Cognatiq™(旧NeuroFactor™)については、査読付き学術誌に掲載された複数の臨床試験があります。ここでは特に重要な2つの試験を解説します。

①「飲んだ当日」に脳内で何が起きているのか:fMRI試験(2021年)

Auburn大学のRobinsonらは、主観的な記憶低下を感じている高齢者を対象に、Cognatiq™ 100mgを1回摂取した後の脳内変化を、fMRI(脳の活動を画像化する技術)と血液検査を用いて測定しました(Robinson et al., 2021)。参加者は8名と小規模。摂取から90分時の測定時点で、以下の変化が確認されました。

血中BDNFが有意に増加。 Cognatiq™摂取後のみ増加が確認され、プラセボ(偽薬)摂取後では変化なし。2013年に行われた試験(Reyes-Izquierdo et al.)でも、10名のCognatiq™摂取群でBDNFが顕著に増加したことが報告されています。

ワーキングメモリの反応速度が有意に向上。 記憶を一時的に保持しながら判断するn-backテストで、Cognatiq™摂取後は摂取前より反応速度が統計的に有意に改善。プラセボ摂取後には変化なし。

注意・集中力の低下を防いだ。 注意力を測るGo/No-Goテストで、プラセボ摂取後は正確性が低下したのに対し、Cognatiq™摂取後では低下が見られなかった。

脳の機能的なつながりが変化。 意思決定や注意制御に関わる前帯状皮質(脳の前部にある、判断・集中に関わる領域)と他の領域との結合が、Cognatiq™摂取後に増大することが確認されました。

「飲んだその日」からパフォーマンスに変化
カフェインのように眠気をブロックするだけでなく、神経栄養因子の増加・脳ネットワークの変化・認知課題での実際のパフォーマンス向上が、1回の摂取から90分以内に観察されています。これはCognatiq™の作用がカフェインとは本質的に異なることを示しています。

②「4週間飲み続けると」何が変わるのか:リモートRCT(2024年)

Robinsonらは2024年、米国全土から40〜65歳の健康成人323名をオンラインで募集し、Cognatiq™(200mg)またはプラセボを28日間摂取してもらう大規模試験を実施しました(Robinson et al., 2024)。参加者は自宅・自分のデバイスで認知課題を行うという、実際の生活環境に近い設計です。

単回摂取後の評価では、Cognatiq™群はプラセボ群と比較してワーキングメモリ課題の正確性が有意に向上し、反応欠如(オミッション)の減少も確認された。また、注意および抑制課題においても改善が示唆された。さらに、28日間の継続摂取においても、ワーキングメモリの正確性はプラセボ群を有意に上回り、効果は試験期間を通じて維持されました。

「日常生活の環境」でも効果が確認された意義

従来の認知機能試験は、管理された実験室環境で行われることがほとんどです。自宅での測定はデータにばらつきが生じやすく、効果が出にくい条件です。そのような「現実に近い環境」でも、大人数(323名)を対象に統計的に有意な差が確認されたことは、この成分が実際の生活場面での認知機能にも影響しうることを示しています。

111'NEURO DRIVE

カフェインフリーで、脳機能サポートを多面的にアプローチ

PPNが開発した111'NEURO DRIVE®は、査読済み研究に基づいて設計された9成分配合のノートロピックサプリメントです。カフェインを一切含まないため、夕方・夜間の摂取でも睡眠の妨げになりません。

配合成分:
Neumentix®(スペアミントエキス)150mg、Zynamite®(マンゴー葉エキス)80mg、α-GPC 60mg、LIPAMIN PS™ 40mg、Suntheanine® L-テアニン 40mg、DHA・EPA、クルクミン、GABA

✓ BSCG認証取得済み(全ロット検査・アスリート使用可) ✓ カフェインフリー

Cognatiq™が向いている人・使い方

こんな場面に

午後の集中力が落ちてくる時間帯: カフェインの効果が切れてくる14〜16時頃は、多くのビジネスパーソンが集中力の谷を経験します。Cognatiq™はカフェイン機序に頼らないため、この時間帯に追加摂取しても夜の睡眠を妨げるリスクがありません。

大事な会議・プレゼン・試験の前: 試験では単回投与から90分以内に認知課題でのパフォーマンス改善が確認されています。重要な場面の1〜2時間前からの摂取が理にかなっています。

カフェインを減らしたいが、パフォーマンスは落としたくない: カフェインへの依存を感じているが、認知機能のサポートは維持したいという場面で、代替・補完的な選択肢になりえます。

継続することで積み重なる効果

Robinson et al. (2020)の28日間試験では、7日目という早い段階から反応速度の改善が確認され、その効果は試験期間を通じて維持されました。2024年の試験でも同様に、長期摂取でのワーキングメモリ改善が示されています。急性効果と長期効果の両方が確認されていることは、この成分の特徴のひとつです。

まとめ:カフェインとは違う、脳へのアプローチ

Cognatiq™は、コーヒーチェリーをまるごと使ったポリフェノールリッチな素材です。カフェインがアデノシン受容体をブロックして一時的な覚醒をもたらすのとは異なり、BDNFという神経栄養因子の増加・脳ネットワークの機能的変化を介したアプローチが確認されています。

カフェインで「乗り切る」のではなく、脳そのものが働きやすい状態を整える。そういったアプローチを探している方にとって、Cognatiq™は選択肢のひとつになりうる成分です。

参考文献

1. Reyes-Izquierdo T, Nemzer B, Shu C, et al. Modulatory effect of coffee fruit extract on plasma levels of brain-derived neurotrophic factor in healthy subjects. Br J Nutr. 2013;110(3):420-425. https://doi.org/10.1017/S0007114512005338

2. Robinson JL, Hunter JM, Reyes-Izquierdo T, et al. Cognitive short- and long-term effects of coffee cherry extract in older adults with mild cognitive decline. Neuropsychol Dev Cogn B Aging Neuropsychol Cogn. 2020;27(6):918-934. https://doi.org/10.1080/13825585.2019.1702622

3. Robinson JL, Yanes JA, Reid MA, et al. Neurophysiological Effects of Whole Coffee Cherry Extract in Older Adults with Subjective Cognitive Impairment: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Cross-Over Pilot Study. Antioxidants. 2021;10(2):144. https://doi.org/10.3390/antiox10020144

4. Doma KM, Lewis ED, Barracato JM, et al. A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel Study Investigating the Efficacy of a Whole Coffee Cherry Extract and Phosphatidylserine Formulation on Cognitive Performance of Healthy Adults with Self-Perceived Memory Problems. Neurol Ther. 2023;12(3):777-794. https://doi.org/10.1007/s40120-023-00454-z

5. Robinson JL, Hunter JM, Kern M, et al. Whole Coffee Cherry Extract Improves Working Memory and Response Inhibition: Acute and Longitudinal Results from a Remote, Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Clinical Trial. Nutrients. 2024;16(14):2348. https://doi.org/10.3390/nu16142348

注意事項
本記事は科学的研究に基づく情報提供を目的としており、特定製品・成分の効果・効能を保証するものではありません。医療行為・診断・治療を目的としたものでもありません。疾患のある方、服薬中の方は摂取前に医師・薬剤師へご相談ください。

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講師は2011年〜2023年の間、全日本選手権パワーリフティング105kg級(フルギアカテゴリー)で12連覇を達成したPPN代表 阿久津貴史(2004年〜NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト)です。現在は東京都立大学 大学院 人間健康科学研究科 知覚運動制御研究室に所属して、パワーリフティング種目の運動制御に関する研究をしています。

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