三苫薫選手にみるサッカーに必要なフィジカルとサプリメント

瞬発力とテクニックが融合したプレーで魅せる三苫 薫選手。

現在はサッカー日本代表そして海外プロサッカーリーグのエリート選手として活躍していますが、そのプレーする姿は、ファンの人はもちろん、他の競技に身を置くアスリート達にとっても、目を奪われるほどの魅力があります。

三苫選手の魅力的なプレーを実現させる土台となるのはもちろん運動能力ですが、運動能力に大きな影響を与えるのが栄養戦略です。三苫選手は自分の身体に必要な栄養素や量を細かくチェックし、食事のメニューやタイミングを調整していることでも知られています。

サプリメントの知識も豊富であり、その中でPPNサプリメントを大学時代から使用いただいています。 この記事では、三苫選手をはじめとしたエリートサッカー選手に必要な栄養戦略、そしてサプリメントの使用や選択について解説させていただきます。

阿久津貴史

著者紹介

パワーリフティング全日本選手権12連覇・現日本記録保持
NSCA-CSCS・NSCA-CPT/認定スポーツメンタルコーチ

阿久津貴史公式HP

1982年生まれ。パワーリフティングの競技者として活動するとともに、パワーリフティング専門ジム「TXP」を運営。後進育成・コーチングも精力的に行っており、全日本優勝者を多数輩出。アスリートのパフォーマンス向上を目的とした、理想的なエルゴジェニックエイドの開発にも日々尽力している。

サッカーという競技に必要とされるフィジカル

まず、サッカーは球技の中でも特に、高強度で長時間を走り続けることが特徴のスポーツといえます。90分間でプレーされるプロの試合の場合では、無酸素性閾値 (最大心拍数の 80 ~ 90%) に近い平均強度で、約10kmほどの距離を走っています(1)。

また、高強度で走る持久力だけでなく、キック、タックル、ジャンプ、方向転換、スプリント、体のバランスやボールコントロールを維持するための筋収縮維持能力など、様々なフィジカル能力が求められます。

これは、ある一つの能力が突出していることが求められるのではなく、高い有酸素持久力を土台に、無酸素能力、筋持久力、速度、敏捷性といった他の様々なパフォーマンス領域においても必要な水準を超えていることが求められるということです。

三苫選手のプレーを観ていると、テクニック面はもちろんですが、スプリントや速度・敏捷性といったフィジカル面の水準が非常に高いことが分かりますが、他の運動パフォーマンス領域も他の一流プレイヤーと比べて引けを取りません。

また、サッカー選手の場合、プレーするポジションによっても求められる運動能力は異なります(2)。過去の研究では、大きな個人差があるものの、ポジションが変わると試合における身体的パフォーマンスが44~58%変化するという結果も出ています。 他にも、チームの戦術や対戦相手、試合の頻度や状況といった要因は、選手の身体パフォーマンスに影響を与えます。 三苫選手においても、ポジションが異なる試合の動きをそれぞれ見比べると、運動パフォーマンスに変化があることが分かります。

エリート選手のための栄養戦略とは

まず、持久力がものをいうサッカーという競技において、そもそも体を動かすためのエネルギーが不足していることは避けなければなりません。

二重標識水法を用いた過去の研究において、イングランド プレミアリーグのサッカー選手の摂取エネルギーと消費エネルギーを調査した結果、摂取エネルギーは一日あたり3186 ± 368 kcal、消費エネルギーは3566 ± 585 kcalとなっており、エネルギー不足によって疲労や怪我の増加や免疫力の低下が起こる可能性が指摘されています(3)。

また試合中のパフォーマンスアップを考慮するのはもちろん、試合後のリカバリ―戦略も大切です。例えば、三苫選手が活躍するヨーロッパのプロサッカーチームの場合、45週間のシーズンを通じて60試合を超える試合を行うことがありますので、週に複数の試合が行われることになります。 週に2試合プレーした選手の場合、1試合のみの選手よりも負傷率が6.2倍高いという研究結果もあります(4)。

そのため、試合頻度の高いリーグに身を置く選手の場合、リカバリー(トレーニングや試合後の回復)を促すための栄養戦略は特に重要になります。

炭水化物(糖質)とアミノ酸の重要性

上記のようなエネルギー不足防止やリカバリー促進のためには、普段から主要栄養素をバランスよく摂取することはもちろん、特に炭水化物(糖質)を定期的に摂取することが重要になります。炭水化物の摂取によって筋グリコーゲン濃度を高めておけば、プレーにおける総走行距離や、高い運動強度を維持することが期待できます。

エネルギーの摂取において注意すべき点は、エネルギーの摂取量は、消費されるエネルギー量とできるだけ同じにする必要があるということです。 出場しない場合や試合の一部のみをプ​​レイする場合は、試合の全てでプレイする場合よりもエネルギー摂取を減らす必要があります。

とはいえ、必要以上にエネルギーを摂取すると体重増加につながる可能性があります。 1日を通して、3~4回主食で栄養を摂る形を基本とし、不足する場合に間食によって補うような形にするとよいでしょう。 また、グリコーゲン合成酵素が最も活性化する時間帯である試合直後においては、吸収の早い炭水化物を摂取することが賢明な戦略といえます(5)。

炭水化物だけでなくアミノ酸、特に筋肉の合成を高めるロイシンを多く含んだものを摂取することが重要です。 ロイシンは必須アミノ酸であり、運動後の筋タンパク質合成の減少を部分的に軽減することが期待できます(6)。

サプリメントや器具の使用について

基本的に、マクロ栄養素と微量栄養素は、主に食事の食物源から摂取する必要があります。 ただし、食品のみでは必要な量を調達するのが難しい成分の場合や、食事による摂取が難しいタイミングの場合は、サプリメントを有効活用すると良いでしょう。

例えば、選手によっては、試合直後は食欲がない場合もあると思います。そういった場合に、リカバリーに必要な成分を含んだ飲みやすいフレーバーのサプリメントは重宝することになるでしょう。

また、より吸収の早い成分を含んでいるサプリメントであれば、最適な回復のための良いアプローチになり、水分補給も同時に行いやすくなります。サプリメントの他にも、リカバリーをより効率的に行いたい場合は、十分な栄養戦略に加えてリカバリーグッズを使用することは私個人の経験としてお勧めです。詳しくはこちらの記事を参照ください。

ただし、エリートプレーヤーはサプリメントの摂取に注意し、禁止物質の検査が行われたバッチテスト済みの製品のみを摂取する必要があります。この点が非常に重要であり、高いステージで活躍する選手こそ細心の注意を払うべき部分になります。 いくつかの記事で詳しく解説していますので、ドーピング検査対象の選手には特にご覧いただきたい内容となっています。

おすすめしたいサプリメント

上記を踏まえ、サッカーのエリートアスリートにお勧めしたいのは、以下のラインナップになります。各商品の特徴は、それぞれのページ下部に詳しく記載しております。なお、三苫選手が使用するサプリメントについては、こちらをご覧ください。


PPNのサプリメント管理体制について
certification

現在市場で販売されているスポーツサプリメントは、たとえインフォームドスポーツを取得していても、市場に流通させながら検査を実施しているのが通常です(全ロット検査を実施しているが、検査結果を待たずして出荷している)。

しかしながら、アスリートのドーピング陽性リスクを極力排除するためには、全ロット検査でも十分ではないと考えています。そのため、PPNでは全製品・全ロットに対して、市場に流通させる前に検査を実施するだけでなく、「結果を確認するまで出荷しない」という管理体制を取っています。

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講師は2011年〜2023年の間、全日本選手権パワーリフティング105kg級(フルギアカテゴリー)で12連覇を達成したPPN代表 阿久津貴史(2004年〜NSCAストレングス&コンディショニングスペシャリスト)です。現在は東京都立大学 大学院 人間健康科学研究科 知覚運動制御研究室に所属して、パワーリフティング種目の運動制御に関する研究をしています。

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